NOMON YOUR WELLNESS「書道で見つけた、リラックス&エンジョイの方法」武田双雲 #02

NOMON YOUR WELLNESS「書道で見つけた、リラックス&エンジョイの方法」武田双雲 #02

あなたの人生が前向きに動き出す朝の10分間。J-WAVE 81.3FM MAKE MY DAY「NOMON YOUR WELLNESS」。

「人生100年時代」を迎え、健康寿命を伸ばしていくことが社会課題となっている中、歳を取ることに前向きで、自分らしい人生を全うできるプロダクティブ・エイジングの実現を目指し、「LIFE IS LONG.」というメッセージの元、最先端科学を食卓へ提供していくNOMONが送るラジオコーナー。

このコーナーでは、ステキに自分らしく人生を生きる「プロダクティブ・ライフ」をテーマに、毎月、素敵なゲストをひとりお迎えして、豊かなライフスタイルのヒントとなる体づくりやスポーツ、食などの話をお届けします。

今月は、NHK大河ドラマ「天地人」の題字など様々な作品を手がけている書道家の武田双雲さんが登場。近年は、書道家の枠を超えて、音楽家や彫刻家などのアーティストとのコラボレーションを行うなど、現代アーティストとしても世界で活躍の場を広げている彼のポジティブなマインドとライフスタイルを紐解いていきます。

その作品性だけではなく、ポジティブで素晴らしい人柄からも人気を集める、双雲さん。日々楽しむことに拘っているという、彼のマインドセットを伺った。

普段あることを日々味わい尽くすことが大事。

「皆さん、ちょっと引くかもしれませんが。ボクには、かなりこだわっていることがあります。それは、『すべての瞬間をどれでけ楽しめるかゲーム!』なんですね。例えばドライヤーって、どれだけ急いでも髪の毛が乾く時間は変わらないじゃないですか。だから、ドライヤーで乾かす時に『聖なる風よ、出でよ!』とか『セイントウインドだ!』とか口に出したり、面白い表情を作ったりして楽しんでいます。ちょっと気分を変えるだけで、普段のことがとっても楽しくなるじゃないですか。自分の妻を見るときも、新妻メガネをかけて、新婚の時のように接してみるとか。とにかく、日常に普段あることを日々味わい尽くすことで、楽しめるゲームをストイックにやっていますね」。

ゲーム感覚で日常にある普段を楽しむ考え方、双雲さんらしいスタイルのユニークな方法だ。この手法で毎日を楽しむことができれば、きっと誰もが毎日を楽しく過ごせるはずだ。家族間はもちろん、仕事先の人間関係だって、向上させることができる。そんな人生を楽しんでいる彼の原点を紐解こう。

リラックスしながらエンジョイ。

「ボクは、20年前に会社を辞めて、書道家の道へ進んだ時に、ひとつくらいは自分の道筋を決めようって考えたんですね。会社員というレールを降りたら、なんか人生が空白だなって感じたんですね。その時に、自分の人生を漢字一文字に例えて、そこだけは拘ってみようと思いました。夢とか志とかいっぱい漢字が出てきたんですけど、やっぱり『楽しい』って字が一番好きだったんです。形も白の両側にヒゲがちょんちょん付いて、木の文字がバン!ってあるじゃないですか。意味も良いし、感謝って意味も入っていると思うし、最高ですね。それに楽(らく)って意味もある言葉だから、力を抜いてリラックスしながらエンジョイできる!それがすごくボクの人生観に当てはまりましたね。当時のボクは、人生を本当に楽しめていないというか、力んでシャンプーしたり、力を入れて人と話しているし、妻との時間も楽しまないで過ごしていたことに気づいたんですね。これはいかん!と思って、リラックスとエンジョイだけは、ひたすら拘って生活していこうと決めました。そんな考え方を20年間していると、どんどん上手くなるというか、日々日常の中の当たり前を楽しめるようになります。あとは、武田双雲がどんな存在なのかってなった時に、人をリラックスさせる人、人をエンジョイさせる人って思って欲しいのと同時に、リラックスとエンジョイだけに人生を絞ったら、武田双雲という人はどうなるんだ?っていうような人体実験をボク自身で始めたことが大きかったですね」。

双雲さんのように、自分の一生の目標となる漢字をひとつ決めることで、日々の過ごし方や考え方、捉え方に変化が生まれるはずだ。それに、リラックスとエンジョイする意識を大切に日々過ごすことで、家庭や仕事先での不協和音も解消され、いつもよりも楽しく過ごすことができるんだとヒントをいただいた。

歳を重ねても、変わらず、若さを感じさせる双雲さんのプロダクティブ・ライフとは?

心の若さを保つことが秘訣。

「若さを保つのに、ジョギングしたりだとか、食べるものに気をつけたりすることは、もちろん大事だと思います。でも、ボクは心の若さを保つことが自分自身の秘訣だと考えています。それは、新鮮な気持ちで世界を見ることですね。英語で“anew”って言うんですけど、 常に“anew”な気持ちで物事を見たり、考えたりすることで、いつも使っている茶碗も『これは初めて見る茶碗だ』とか、例えば、渋谷に行ったら『初渋谷』みたいに楽しめるんです。当たり前だと思わずに、常に新鮮な気持ちで毎日を過ごすと、自分が自分じゃ無かったり、新しい赤ちゃんみたいな気持ちで、物事を楽しめるんですよ。もちろん、ボクも白髪は増えてくるし、シミも増えていくんですけど、見た目ではなく、心の若さを大切にしながら、接することに拘っていますね」。

何事も新鮮な気持ちで見ることで、見慣れた普段の景色からも新たな発見が生まれる。自分を自分として捉えなければ、毎日違う自分を見て楽しむことができる。常に無邪気でポジティブな双雲さんの若さの秘訣を教わった。

最後に、時には繊細で、時には大きく力強い作品を生み出している双雲さん。書道家として大切なフィジカルについて伺った。

「書道もスポーツと一緒で、体の無駄な力をいかに抜くかってことが大事なんです。その無駄な力を抜ききると一流になれるって、どのスポーツ選手も言うと思うんですが。それは呼吸がいかに深いとか、無駄な力みを抑えて、身体運動性を引き出すとか、心の整え方にも繋がっていきます。どこでも共通する身体能力の使い方ですね。ボクも書道家として、日々研究しながら、疲れない方法だったりを編み出していると思います。無駄な力って、例えば歯を食いしばったり、無駄な緊張とかプレッシャーだったり、呼吸が浅くなったり、色々な能力を無駄遣いしているんですよ。そういう無駄な力みを減らしていくと、フローが良くなるので疲れないし、パフォーマンスが上がります。エネルギーが交換しあっている状態なので、大げさに言うと宇宙とずっとエネルギーが循環して、エネルギーが枯渇しないということですね」。

武田双雲

1975年生まれ。東京理科大学理工学部出身

書道家・現代アーティスト

3歳より書家である母・武田双葉に師事し、書の道を歩む。大学卒業後、NTT入社。約3年間の勤務を経て書道家として独立。音楽家、彫刻家などさまざまなアーティストとのコラボレーション、斬新な個展など、独自の創作活動で注目を集める。映画「春の雪」、「北の零年」、NHK大河ドラマ「天地人」をはじめ、世界遺産「平泉」、スーパーコンピュータ「京」、「美空ひばり」など、数多くの題字、ロゴを手がける。また、フジロックフェスティバルや、ロシア、スイス、ベルギー、ベトナム、インドネシアなど、世界中から依頼を受け、パフォーマンス書道、書道ワークショップを行っている。2013年には、文化庁より文化交流使の指名を受け、日本大使館主催の文化事業などに参加し、海外に向けて、日本文化の発信を続けている。百貨店や美術館などで斬新な個展を開催。2010年目黒雅叙園での個展には来場者が4万人を超える。2015年及び2019年、アメリカのカリフォルニア州にて個展開催。現地メディアにも取り上げられ、好評を博す。また、2008年6月14日開通の東京メトロ地下鉄副都心線、明治神宮前駅にパブリックアートとして「希望」の作品を提供。様々な企業や個人から依頼を受け、ビジョンを書で揮毫している。オリジナルの書道講義が話題を呼び、日テレ「世界一受けたい授業」など様々なメディアに出演。講演会やイベント、セミナーなどへの出演も多数。身体に優しいオーガニック食材や発酵食品を使った店舗のプロデュースを手がけ、2017年、湘南に「CHIKYU FARM TO TABLE」、2018年、浅草にCHIKYUの姉妹店「MISOJYU」をオープン。2019年元号改元に際し、「令和」の記念切手に書を提供。ベストセラーの「ポジティブの教科書」をはじめ、「波に乗る力」(日本文芸社)など、著書は50冊を超える。20年間主宰した書道教室「ふたばの森」は、2020年3月末に閉講。近年は現代アーティストとして作品を発表。2019年アートチューリッヒに出展。2020年1～2月、代官山ヒルサイドフォーラム及び日本橋三越にて、ドイツGallery Duruduru及びArtriun Birnbachにて、個展開催。また、2020年9月～12月にかけて、大丸松坂屋百貨店(京都店・心斎橋店)・GINZA SIX・伊勢丹新宿店にて、個展を予定している。

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