あなたの人生が前向きに動き出す朝の10分間。J-WAVE 81.3FM MAKE MY DAY「NOMON YOUR WELLNESS」。「人生100年時代」を迎え、健康寿命を伸ばしていくことが社会課題となっている中、歳を取ることに前向きで、自分らしい人生を全うできるプロダクティブ・エイジングの実現を目指し、「LIFE IS LONG.」というメッセージの元、最先端科学を食卓へ提供していくNOMONが送るラジオコーナー。このコーナーでは、ステキに自分らしく人生を生きる「プロダクティブ・ライフ」をテーマに、毎月、素敵なゲストをひとりお迎えして、豊かなライフスタイルのヒントとなる体づくりやスポーツ、食などの話をお届けします。

 

10月のゲストは、トライアスリートとして活躍しながら、日本で数少ない女性トライアスロンコーチを務める中村美穂さんが登場。過酷な競技を背景に、常にポジティブな彼女のマインドとライフスタイルを紐解いていきます。

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すべての力を振り絞り、大自然をスイム、バイク、ランで駆け巡る競技トライアスロン。中村さんのアスリートとしての原点は、競泳選手として活躍してきた学生時代までさかのぼる。彼女は、高校生のときにインターハイで優勝し、大学でも競技を続け、オリンピックを目指して来た。だが、四年に一度のチャンスにピークを合わせられず、競技者としてオリンピックに行くことはできなかった。そして約20年間続けた競泳選手を大学卒業と同時に引退した。中村美穂さんが女性アスリートとして、トライアスロンの世界に魅了されたきっかけを訊いてみた。

大人になってから巡り合ったトライアスロン

「わたしは大学を卒業してから、一般企業に就職しました。そして競泳から離れてからは、一切のスポーツもせずに、リーマンショック真っ只中の社会で一生懸命働く忙しい日々を送っていました。そんな毎日が続き、ある時、心と体のバランスを崩して、摂食障害という病気になりました。精神的にも肉体的にも健康な状態でいることができず、もう一度、健やかな体や心を取り戻すために、会社を辞めて、今度は水泳の指導者として次のステップに進みました」。

病気で心身のバランスを崩した時、自分の体調管理や生き方の根源には、スポーツがあると改めて気づいた中村さんは、会社を辞めて水泳のコーチをはじめたという。競技者から指導者へ。このことがトライアスロンと巡り合うきっかけになったのだ。

「水泳のコーチをはじめてから、トライアスロンスクールでの指導に携わる様になり、トライアスリートにスイム指導をするなら自分も学ばなければならないと思い、自然な流れでトライアスロンをはじめました。自分にとってはゼロからというより、マイナスからのスタートだったので苦労しましたね。実は、わたしはすごく運動神経が悪いんですよ。球技や道具を使うスポーツがとっても苦手で、バイクに乗ることでさえ、最初はバランスが不安定でした。そんな状態からトライアスロンの世界に飛び込んだんですね」。

中村さんは、選手時代に1日何十数キロも泳いでいた競泳選手の体が陸のスポーツに適応していないと痛感することになる。競泳選手としては抜群の運動能力を誇るが、はじめてのバイクに加えて、ランニングの経験もゼロだったため、1キロ2キロくらい走ると足の裏に水ぶくれができて、痛くて走れなかったとか。走り始めの頃は、いつもTシャツの裾に安全ピンを付けておいて、水ぶくれができるたびに安全ピンで水を抜いて、また走っての繰り返しを行いながら、柔らかかった足の裏の皮膚を陸に慣れさせ、少しずつ皮膚を硬くしながら、トライアスリートとしてのキャリアをスタートさせたそう。そんな苦労の中でも続けられるトライアスロンというスポーツの魅力を伺った。

真四角のプールを飛び出して、見えた新しい世界

「わたしは今まで、真四角のプールの中で生きてきました。トライアスロンは大海原を泳いで、自分の手足でバイクを漕いで、風や地球の傾斜を全身で感じながら、大自然の中を走行します。そして、ゴールへ向かう最後にはマラソンが待っています。わたしはこの競技に出会ってから、自分が育って来た真四角の温水プールがとっても狭く感じるようになりました。トライアスロンと出会ったことで、狭い場所から、とっても大きな場所へと手足を使って飛び出したんだって感覚がとっても嬉しかったんですね。一言で言えば、虜になったっていう感じですね」。

競泳という世界から会社員としての生活、そして病気を乗り越えて出会ったトライアスロン。水の中から陸へ。真四角のプールから大自然へ。トレーニングという日々の努力を重ねて、作っていったフィジカル。過酷な状況をクリアするトライアスリートのトレーニングはどういったものなのか。

「今のわたしはコーチがメインですので、普段はスピードを求めるトレーニングより、みなさんと一緒にトライアスロンをどうやったら長く楽しめるのかを探しながら、一緒に泳いだり、バイクを漕いだり、走ったりしています。それが日々のトレーニングになっていますね。でも出場するレースが決まったら、開催日から逆算して、平日はバイクを毎日家の中で漕いで、スイムかランのどちらかを組み合わせます。土曜日は大体20キロ〜30キロの距離を走って、バイクは100キロ以上の距離を漕ぎますね。時間と距離をトレーニングで稼いでおかないと、その練習量がレース中の自分を助けてくれます。これだけやったから大丈夫だって思えないと、トライアスロンでは自分の限界を超えられないので、精神力を保つためにも圧倒的な練習量が必要になります」。

トライアスロンでは、過酷なレースに打ち勝つために、日々の練習量が自分を助けてくれる。泳いで、漕いで、走っての3つの種目に対して厳しいトレーニングを積み重ねていくわけだが、その中でも大切にしている中村さんのこだわりを訊いてみた。

「わたしを含めて、トライアスリートの方々の多くは働きながら、競技を続けているので時間の無駄遣いができないんですね。だから、わたしは時間をうまく使いながら、メリハリをつけ、無駄を省き、トレーニングを行なっています。一番強度の高まる、自分の持っている100%の力を使ったハードな練習の日と、しっかりと疲労を抜いて、自分のフォームを固めながら、ゆっくりと走るソフトな練習の日を組み合わせています。しっかりと力を入れる日、力を抜いてフォームを固める日を考えながら、トレーニングしていくんですね。わたしは、50%〜70%くらいの力を使った中途半端なトレーニングは、あえてやらないようにしています」。

トライアスリートは働きながら競技を続けているので、仕事とトレーニングの時間をしっかりとタイムマネージメントできていないといけない。中村さんの指導のもとに集まるトライアスリートの方々は、時間の使い方がとっても上手。コーチとして接しながら、いつも感じているそう。最後に、非常にスタミナを使う競技トライアスロン。トライアスリートとしての中村さんの体づくりについて伺った。

3つの意識がトライアスリートの体を作りあげる

「体づくりに対して、わたしは大きく意識していることが3つあります。1つ目は、食べたいものをしっかりと美味しく食べて、エネルギーが枯渇しないようにすること。2つ目は、心拍数。心拍数の高さをレベル化させた心拍ゾーンがあります。自分の心拍数を特定の心拍ゾーンにキープすることで、ワークアウトの強度レベルをコントロールすることができるんです。数字が上がれば上がるほど強度が高いのですが、わたしは心拍数をあまり上げすぎずにフォームが固められるゾーン2のトレーニングを行っています。これを行うと体の脂肪が燃焼しやすくなり、摂った糖質をエネルギーにするのではなくて、自分の体脂肪をそのままエネルギーにすることができ、スタミナを長く維持することができるんですね。そして3つ目は、日焼けを絶対にしないように毎日意識して生活しています。理由は日焼けした肌だと、酸素を無駄遣いしてしまうからです。わたしたちアスリートは吸い込んだ酸素をパフォーマンスが落ちないように全部筋肉で使ってあげたいんですね。これがわたしの体作りの基本です」。

変に食事制限をするのではなく、しっかりと好きなものを食べてエネルギーを作りだし、自分に必要な心拍ゾーンをトレーニングしながらキープする。そして体脂肪をエネルギーへと導き出す。それらすべてがパフォーマンス向上への導線となり、体をしっかりと作っていくことができるのだ。

来週は、彼女の食生活についてお話を伺います。

【プロフィール】

中村美穂

1986年生まれ。法政大学出身

紹介制トライアスロンコミュニティ「TRIMING」主宰・代表
トライアスロンコーチ・トライアスリート・日本トライアスロン連合公認審判員・日本ライフセービング協会会員

日本で数少ないトライアスロンコーチ。4歳から水泳をはじめ、7歳から大学卒業まで競泳競技一筋。大学卒業・競泳競技引退後、一般企業に就職、スポーツから離れた生活の中で心身の病気を経験。『自分の人生はスポーツによってより豊かに彩られる』と実感し、指導者としてスポーツの世界に戻る。自分の経験を指導者の立場から語彙化するため、栄養学・心理学・機能解剖学・幼児の心理学・ヨガRYT200取得など幅広く学び、指導者として独立。トライアスリートとしても、コーチとしてもトライアスロンを安全に楽しむ普及活動を行っている。又、プロアスリートのマネジメントや、知育運動プログラムの普及活動、若年層の自殺率をゼロにするための活動『一般社団法人誰もが誰かのライフセーバーに』の理事を務めるなど、活動は多岐に渡る。

https://ginzamag.com/interview/miho-nakamura

https://www.specialized-onlinestore.jp/contents/blog/detail/478

http://theborderless.jp/3128/

 

NOMON YOUR WELLNESS OCTOBER INTERVIEW

【番組インフォメーション】

J-WAVE 81.3FM MAKE MY DAY「NOMON YOUR WELLNESS」

「ココロとカラダが喜ぶ日曜日。」がテーマのJ-WAVE『MAKE MY DAY』内にて、毎週日曜日AM7:05-7:15にお届けしているNOMON YOUR WELLNESS。「人生100年時代」を迎え、健康寿命を伸ばしていくことが社会課題となっている中、歳を取ることに前向きで、自分らしい人生を全うできるプロダクティブ・エイジングの実現を目指し、「LIFE IS LONG.」というメッセージの元、最先端化学を食卓へ提供していくNOMONが送るラジオコーナー。

毎週日曜日 7:05am – 7:15am(10分コーナー)

ナビゲーター:前田智子

番組公式サイト https://www.j-wave.co.jp/original/makemyday/

この番組は、radikoでも聴取可能。タイムフリー機能では、放送日から1週間に限り無料で視聴可能。

執筆

LIFE IS LONG JOURNAL編集部

 

LIFE IS LONG JOURNAL編集部。 ”LIFE IS LONG JOURNAL”は「人生100年時代」を迎え、すべての人が自分らしく充実した人生を歩んでいくための「健康寿命」を伸ばすために役立つ情報を発信するメディアです。

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