J-WAVE 81.3FM MAKE MY DAY内に、スタートしたラジオコーナー「NOMON YOUR WELLNESS」。
人生100年時代を迎えた今、このコーナーでは素敵に自分らしく歳を重ねる「プロダクティブ・エイジング」をメインテーマに、美容や健康など様々なマンスリーテーマとゲストを迎え、これまでのヘルスケアとは少し違う、人生を前向きに送れるような情報を毎週日曜日の朝にお送りしています。
この記事では、毎週の放送内容をアーカイブし連載してお届けします。
今月は順天堂大学医学部教授であり、自律神経研究の第一人者、そしてスポーツドクターとしての顔をもつ小林弘幸先生にお話を伺っています。
梅雨の晴れ間が広がり、気温も蒸し暑くなってきました。みなさん、体調管理には十分に気を付けてくださいね。4週目、ラストの今回は、免疫力アップにつながる体作りについて、小林先生に教えていただきます。
筋肉と大きく関係している免疫力
前回お話ししました、深部体温を下げることで免疫力の低下につながる原因の9割は筋肉量の低下によるものです。特に、今このような自粛生活を送ることで非常に運動不足になりがちです。運動量の低下とともに、筋肉量が減少してしまいます。
筋肉は、人体最大の熱産生器官ですから、筋肉が少なくなると、体温も下がり、代謝も落ちてしまいます。代謝が落ちれば、エネルギーが消費されにくくなり、全て内臓脂肪にいってしまいます。
この内臓脂肪が多くなると、アディポサイトカインという悪玉ホルモンが分泌されて、血管に炎症を起こすことがあります。そうすると血栓を作ったり、血流が悪くなったり、またインシュリンの働きを弱めてしまうことにつながります。
つまり、ガンとか高血圧、糖尿病の元凶となってしまいます。ですから、筋肉量を増やすことが、加齢とともに落ちてくる基礎代謝を守ることになりますし、血流を良くして、免疫機能をあげることにもなります。
筋肉と大きく関係している免疫力。みなさん、自粛期間で運動不足となり、筋肉量が落ちていませんか?
筋肉が落ちることで、代謝が下がって脂肪となったり、悪玉ホルモンが分泌されたり、血管に炎症を引き起こしたり、様々な弊害が起きることがわかりました。
では、免疫力を高めるために、どんな運動がいいのか教えてください。
朝30分のウォーキングとスクワットで筋肉と免疫機能を高める
私が患者さんにオススメしている免疫力を高める運動法が2つあります。1つ目は、1日30分、必ず歩いていただくことです。
加齢により、筋肉はどうしても落ちてしまい、特に足腰の筋肉が弱くなってしまいます。人間の筋肉の7割は下半身にあるので、歩くことは効率よく筋肉を鍛えることになります。だから是非、1日30分歩いていただきたいと思います。
もし可能なら、朝歩いていただくことをおすすめします。なぜかというと体温が一番低いのが朝なので、歩くことで体温が上昇し、免疫機能を高めることにつながります。
それに気分転換にもなりますので、朝のウォーキングで運動を楽しんでください。
免疫力アップと下半身の筋肉を鍛えるためのエクササイズとして、朝30分のウォーキングをおすすめいただきましたが、これなら誰でもすぐに始めることができますね!さて、2つ目の運動法を教えてください。
2つ目の運動法はスクワットです。決して無理のない範囲で、自分が曲げられるところ、膝に痛みを感じない程度で、ゆっくりとスクワットをすることをおすすめします。
このスクワットで筋肉はかなりつきますし、血行も改善できます。特に入浴後に行うと、入浴と運動で体温が上がり、眠りやすくなるという効果もあります。もしスクワットを実践するのであれば、ゆっくり10回を3セット。
最初にそこまでできないという方は、ゆっくり5回から。そこから10回に徐々に伸ばして、それから2セット、3セットという感じで増やしていきますと、必ず1ヶ月の間に3セットできるようになりますので、是非やってみてください。
お風呂上がりにスクワットをゆっくり10回、3セット。これで筋肉をつける運動だけではなく、眠りも良くなり、免疫力もアップする。スクワットはいいことづくしですね。
最後に病気知らずの小林先生ご自身が、日々心がけていることを教えてください。
自分で決めたルーティーンを毎日こなすことが大事
コロナ渦の自粛生活の間も、自分は決まったルーティーンで生活していますので、それをお話しさせていただきます。
まず1つ目は、必ず寝る時間と起きる時間を決めておくことがいいと思います。これは、日曜日だろうと、平日だろうと崩さずに守ることが重要です。
自分は5時に起きて12時に寝るというルーティーンなのですが、もともとショートスリーパーなので、短いですが、自分にとっては最高の睡眠時間だと思っています。
それから、5階くらいまでは一切エレベーターやエスカレーターは使用せず、必ず階段を上り下りすることと、毎日1時間は歩くようにしています。
それと食事は、とにかく腹七分目です。特に夕飯に関しては腹七分目で終わる。
自分はこれを徹底しています。体重もほとんど高校時代から変わっていませんし、体力的にも落ちているとは感じたこともありません。是非参考にしていただければと思います。
食事法、睡眠、生活習慣、運動と様々な角度から免疫力アップについて教えていただきましたね。どれでも簡単に取り入れられる、免疫力アップの方法ですね。全部をいっぺんに行わなくても、どれか1つからでもはじめてみませんか?
4週にわたり、小林弘幸先生ありがとうございました。
さて、7月はメンタルトレーニングをテーマにお届けします。お楽しみに!
「免疫力」
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小林弘幸
1987年、順天堂大学医学部卒業。1992年、同大学院医学研究科博士課程修了。アイルランド国立病院外科、順天堂大学小児外科講師・助教授を経て現在は順天堂大学医学部教授。著書は「医者が考案した『長生きみそ汁』」他多数。日本体育協会公認スポーツドクターとしての顔も持ち、テレビをはじめとしたメディアにて、腸と健康のあり方を紹介すること多々。
J-WAVE MAKE MY DAY「NOMON YOUR WELLNESS」
「ココロとカラダが喜ぶ日曜日。」がテーマのJ-WAVE『MAKE MY DAY』にて毎週日曜日AM7:05-7:15にお届けしているヘルスケアプログラム。毎月ひとつのテーマに沿ったヘルスケア情報を、専門家のコメントでご紹介。
WEBメディア「onyourmark」と連動して、番組で紹介しきれなかったエピソードなどを掘り下げて紹介。「LIFE IS LONG JOURNAL」にて公開中。
2020年6月は、順天堂大学医学部 小林弘幸先生を迎えてお届けしています。
この番組は、radikoでも聴取可能です。radikoのタイムフリー機能では、放送日から1週間に限り無料で聴くことができます。
NOMON YOUR WELLNESS × onyourmark vol.2
免疫力を上げるには、何よりも腸から” スポーツドクター 小林弘幸
onyourmark
WEBメディア「onyourmark」と、講談社より発売されるその雑誌版『mark』とは、スポーツやワークアウトを始めたい、続けたい⼈の“やる気を刺激するスポーツライフスタイルマガジンです。
今回は、体作りの観点から、免疫力を高める方法をご紹介したいと思います。まず、免疫力には筋肉、特に体作りが大きく関係しています。