食事を不規則に食べるなど、生活習慣の変化で体内時計が乱れると花粉症などのアレルギーが強まることが分かっています。
花粉症は、鼻水やくしゃみなど、本人にとって辛い症状が出ますが、体に入った異物を排除するためには必要な働きです。
また、食事から腸の免疫力を整えることで花粉症が緩和できることが分かっています。
以下では、花粉症対策の食事や花粉症を和らげる食事のタイミングなど、詳細をみていきましょう。

花粉症が起こる原因とは?

花粉症は、体内の異物であるアレルゲンを攻撃して、体外へ出そうとするときに引き起こされる症状です。
鼻の粘膜に花粉が付くとマスト細胞が抗体を作り、再度侵入してきた際、マスト細胞からヒスタミンと呼ばれるアレルギーを引き起こす化学物質が出されて、花粉症状が起こります。
抗体は、体内で免疫機構に異物と認められた物質を外へ追い出すための攻撃に必要となります。
日本の東京都内では、約3〜4人に一人が花粉症の症状に悩んでいるのです。
早い人では2月頃から、主にくしゃみ・鼻水・かゆみなどの症状が続きます。
現在、花粉症になる人が増えている原因は、大気汚染物質が花粉にくっつくことで、体内でアレルギー物質として拡散されやすいからだと考えられています。

体内時計が乱れるとアレルギーが悪化する?

最近の研究では、マスト細胞の体内時計がアレルギー反応の強さを決めていることが分かりました。
体内時計は、人間の体にある細胞にほとんど備わっています。
マスト細胞は、昼間の人間が活動する時間帯には、支障が出ないようにアレルギーの反応を抑える調整を行います。
例えば「モーニングアタック」は、花粉症のアレルギー反応であるくしゃみや鼻水が朝方に強くなることです。
一方、夜間などの休息期は、喘息やかゆみの発作が起きやすいと言われています。
このようにアレルギーは夜から朝方にかけて強まることが分かり、細胞に備わっている体内時計がアレルギーの反応を調整する役割を持つのです。

花粉症対策におすすめの食事は免疫力も高める

食事

花粉症は、腸内環境を整えて、免疫力を高めることが対策に繋がると言われています。
なぜなら、腸には体の中で最も免疫細胞が集まる場所だからです。
特定の食品で、花粉症が治るという絶対的なデータはありませんが、免疫の仕組みを正しく機能さえて腸を整える方法には、乳製品や抗酸化作用のある食べ物などを食べることが大切。
健康の維持にも繋がる花粉症対策の食べ物をみていきましょう。

ヨーグルトを食べる

ヨーグルトなどの乳製品には、さまざまな乳酸菌が含まれているため、腸内環境を整える働きがあります。
腸内は免疫細胞が多く、異物と戦うための抗体が60%以上も集まる場所です。
日頃から、腸を整えることで異物と戦うための場が整うのです。
また乳酸菌には、白血球の仲間である「Th1」「Th2」細胞のバランスを整えて、ヒスタミンの濃度をコントロールします。
このように、乳酸菌は免疫を調整する役目もあるため、花粉症状の緩和に繋がるでしょう。
他にもチーズや牛乳などにも乳酸菌は含まれており、手軽に取れておすすめです。
最近では、ビフィズス菌など、さまざまな乳酸菌が入ったヨーグルトが増えているので、いろいろ試してみると良いでしょう。

青魚を食べる

サバ、サンマなどの青魚に含まれるEPAやDHA(n-3系多価不飽和脂肪酸)などは、花粉症のアレルギー症状を引き起こすロイコトリエンが出ることを抑える働きがあります。
EPAやDHAは体内ではほとんど作られない成分なので、適度に食事から摂取する必要があるでしょう。
クルミにも魚の油と同じ成分が含まれているので、魚の代わりに思いついたときに、おやつやおつまみとして食べることができます。

ビタミンA、C、Eやポリフェノールを食事からとる

花粉症のアレルギー症状は、炎症を起こすときに細胞を傷つける活性酸素と呼ばれる物質が出ます。
活性酸素に抗う力である抗酸化作用がある栄養素には、脂溶性のビタミンA、C、Eなどです。
ビタミンA、C、Eは、緑黄色野菜など、色の濃い野菜や果物、ナッツ類に多く含まれています。
例えば、ビタミンAはかぼちゃ、ビタミンCはレモンやブロッコリー、ビタミンEはアーモンドなどに多く含まれるので、意識して取り入れると良いでしょう。
また、抗酸化作用はポリフェノールにも含まれており、チョコレートのカカオポリフェノールは、花粉症を引き起こすIgE抗体やヒスタミンが出ることを抑えるため、アレルギー症状の緩和が認められています。
ココアにも同様の成分が入っているので、一息つく際には取り入れるのも良いでしょう。
抗酸化作用のある食べ物やポリフェノールを継続して摂取することで、花粉症を緩和する効果が期待できます。

アレルギーを緩和する良い食事のタイミングとは?

食事はできれば決まった時間に朝、昼、夜ときちんと食べて体内時計をリセットすることで、アレルギーの緩和が期待できます。
体内時計が乱れるとアレルギーが悪化する原因の一つに、食事の時間帯がバラバラなことがあげられます。
食事のタイミングがずれると、体内時計の調整が上手く行われず、結果として花粉症などのアレルギー症状が悪化するのです。
特に寝る直前や深夜に食事をすると、アレルギーが悪化することが研究で分かりました。
そのため、休息期である午後10時以降は、本格的な食事をできるだけ避けることが無難と言えるでしょう。

規則正しい生活は花粉症の改善効果も

花粉症などのアレルギーは、体内時計の乱れにより症状が悪化しやすいことが分かりました。
他にも、強いストレスや睡眠不足、運動不足でもアレルギーが悪化することが分かっています。
マウスを使った実験でも、24時間自由にエサを食べることができる場合、活動期にだけエサを与える場合、休息期にエサを与える場合では、休息すべき時間にエサを食べたマウスのみが一日を通してアレルギー反応の強さが継続する結果とまりました。
日頃から生活習慣を意識して見直すことが、アレルギー対策にも繋がると言えるでしょう。

まとめ

花粉症などのアレルギー反応が、食事のタイミングや体内時計の乱れにより強さが変化することをみてきました。
これが絶対に効くという即効性のある食べ物はありませんが、日頃から生活習慣を整えて健康を意識する取り組みが、花粉症にも効果があることが分かったのです。
食事から腸内環境を整えることで、免疫の機能を正常にして、花粉症の症状を抑える一躍になることを願っています。

 

<参考>

花粉症にお悩みの方必見!食べ物で美味しく花粉症対策!

 

執筆

LIFE IS LONG JOURNAL編集部

 

LIFE IS LONG JOURNAL編集部。 ”LIFE IS LONG JOURNAL”は「人生100年時代」を迎え、すべての人が自分らしく充実した人生を歩んでいくための「健康寿命」を伸ばすために役立つ情報を発信するメディアです。

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