カール、今日も疲れたよ~

ぺろぺろ

ああ、いやされるなあ~

コハルちゃん、どうしたの?

ストレスがすごくって

え?!小学生なのにストレスか…例えばどんなストレスなの?

小学生も習い事やら、面倒な友達のことやらストレスたくさんあるよ~

 

 

小学生のコハルちゃんも、十分なストレス(うんざりごと、悩みなど)があると、当然ですが心が疲れます。

現代社会はとても忙しく、周りも器用にそれをこなしているようにみえて焦ってしまいがちですよね。

 

心の負荷をピアノで少しでも軽くできないか、これまでもコラムでは取り上げてきてますが、あらためて考えてみたいと思います。

 

前回のコラムで、即興演奏(という活動そのもの)が自分の疲れをとってくれている、と書きました。

これは本当なのです。

その理由を私のケースで考えてみると、いくつか理由が思い当たりました。

 

  1. 楽譜がない=決まりがないこと。
  2. 間違えがないこと(狙った音を外すことは当然ありますが…)
  3. ピアノの音を聴くことで気持ちが変わる
  4. 指がほぐれていく感覚(手の体操)
  5. いいハーモニーに偶然出会った時の心地良さ

 

大体このあたりに集約されるかと思います。

 

私の場合、あまり狙った演奏をしていないため、偶然性と前準備に左右されます。

何度チャレンジしてもまったく作品ができない日もあります。でもそれは今回のテーマではなく、

重要なのは、上記の3番、「ピアノの音を聴くことで気持ちが変わる」という点です。

 

しかも決まった音ではない、偶然生まれた音と戯れることで、癒されていくのではないか、という点に注目していきたいと思います。

 

 

即興ピアノヒーリングを実施してみた

実はこのコラムを執筆中、私自身が体調不良で、自身で実験しています。

この時の実感を数値化していますが、具合の度合いも含め、個人差は大きいと思います。

 

ちなみにこの時の私の様子は、発熱がおさまり(37度程度)、起きていられるのですがふらつく、という程度でした。

そのまま寝るとめまいや不安が強くなってきていたので、ピアノに触れてみました。

 

 

今回の指標は5段階評価としました。

(1.とても悪い、2.やや良い、3.普通、4.やや良い、5.とても良い)

 

確認事項

実施前

実施後

不安な気持ちの改善

1

4

呼吸が楽になったか

1

4

体があたたまったか

2

3

実施後気持ちよく眠れたか

2

5

 

 

対処療法ではないので、熱が下がる、咳や鼻の具合が良くなる、といったことは当然ありません。

ただ、確実に心が和らぐ感覚が得られ、そして、実施後の眠りの深さは実感として感じられました。

呼吸が浅めだったのが、深くなったような落ち着きを得られたのが良かった点だと思います。

 

 

 

ピアノヒーリングのやり方

自分を癒す、という意味でパワフルに弾くピアノではなく、

どちらかといえば柔らかい、静かな響き、ということにしたいと思います。

 

 

・低音のドの音を鳴らします(ペダルがあれば踏む)。

その響きの中に入れるように、そーっと中央のレを弾いてみましょう。

音がフワーッと広がる感じがわかるでしょうか。

・音を一度鳴らしたら、2~4拍心の中で数えてみます。

・さらに右手で1つ上のレ、など

・水彩画に好きな色を落とすように、ゆっくりと他の音も入れていきましょう。

・基本的に白い鍵盤であれば、どれでもOKです。ただ、ペダルは組み合わせを変えるごとに踏み替えていきます。

・適当にさっと手を離さず、ゆっくり、ゆったり、深呼吸しながら大切に音を出しましょう。

 

 

慣れてきたら1つの音から、2つの音、少し動いて、3音、と響きを足していってみてください。

ハズレの音が鳴ったらペダルは外します。

 

いかがですか?

5分くらい音の変化に注意してやっていただくと、

少しずつ心が静かになっていくような、変化を感じていただけるでしょうか。

 

 

 

音の減少を楽しもう

 

 

ここで、今回私が弾いてみたものをお聴きください。

 

 

<2音からの即興> 

 

 

ゆらりゆらりとした音を聞いていると、眠りに入れそうな音になったのではないでしょうか。

 

 

ピアノの特性で打鍵した瞬間に最大の音が出て、その後減少していきます。

 

下の図は、今回の音の波形です。

広がっていると、音量も上がり、ギザギザとしたラインで減少しているのがお分かりかと思います。

 

音の波形の図

 

 

音が減少していくとき、ピアノの弦のうねりが発生して、音が回っているように聞こえます。

この減少していく様子をじっくりと聞いて、次の音を出す、ということを淡々と行います。

 

やってみると少々退屈かもしれません。

眠くなるかもしれません。でもそれは正しい反応です。

 

ほんとだ、音がうねうねしてる。眠くなってきた~

音に溶けていくような感覚だよね。

 

 

もしもこの音遊びで盛り上がってしまい、気づいたら夜更ししてしまった、そんな方はすぐにご連絡ください!

即興演奏に向いていらっしゃると思いますので、ぜひ一緒に遊びましょう。

 

 

ピアノの音のチカラ

ピアノの生演奏を聴いて癒される方も多いと思います。

 

なんといっても、弦とボディの共鳴の力は大きいと思います。

また、低音、中央、高音、とそれぞれの良さがありますし、それぞれの効能があると思います。

例えば低音は心を深く安定させてくれる、高音は感覚を呼び起こすように感じます。

 

 

ピアノの音、と一言にいっても、音域も音量もピアノのタイプ(電子ピアノ、アップライトピアノ、グランドピアノ)も含めると、

一律に数値化することは難しいです。

電子ピアノであれば、サンプリングされている音であるため、体感として弦が震える感覚は味わうことが難しいです。

とはいえ、通常ピアノの生の感覚を出すために、音の波形は生のピアノをなぞっており、そのためリアルなピアノの響きが再現されます。

 

 

今回、自分でやってみて何を1番聴いているかというと、弦(音)のうねりであったことに気づきました。

周波数のうねりともいえます。音の波形で考えるとわかりやすいですが、ピアノの鳴りは周波数のうねりがもたらす変化が魅力なのです。

それを感じることで、自分の周波数とリズムが合ってくる=気持ち良い なのではないかと考えました。

 

以下のサイトで、ピアノと電子ピアノの音色の波形を比較しており、

電子ピアノの方が澄んでいる、と表現されていました。

http://www.krkw.com/tukuru/inst/wave.htm

 

これは、生ピアノの方が、さまざまな音の混在、例えば弦やボディの唸りといった雑音的要素が追加されてのことでしょう。

ですが、この雑音が良いのです。

もしもお近くで生のピアノがあれば、ぜひ試してみましょう。

ピアノスタジオを利用してみるのもよいと思います。

その違いは圧倒的で、新鮮な喜びがあることは間違いないです。

 

また、上記のピアノヒーリングは、具合の悪い時には、ヘッドホンではあまりおすすめできません。

耳を圧迫してした結果、めまいの原因になるかもしれません。

そのため、電子ピアノも、スピーカーからの音で実施してみるようにしましょう。

 

 

大勢で即興演奏を行うこと

 

今度はリズムだけで、複数人で楽しんでいるアフリカでの即興ワークショップの風景をご紹介いたします。

最初にメインとなる方(ガイド)がリードします。

そこに全員が思い思いに好きな場所を叩き、場がどんどん高揚していく様子が見えます。

ガイドがやめてしばらくすると自然に高揚から静寂へ、と言葉での指示なく全体がまとまっています。

このワークショップによってどんな良いことがあるでしょうか。

例えば、相手のことを見る、考える、連帯感を感じる、リズムを生み出す高揚感、達成感などさまざまな効果が

あるでしょう。

 

私もこういったワークショップを今後展開していきたいな、と考えています。

リズムを楽しみ、プラス音を取り入れてみて新しい発見をしていきたいですね。

 

 

楽しそう~

ワンワン!!(みんなと遊びたい!)

今度みんなで音遊びしてみようね。

ストレスなくなるかな、、

少し悩みから離れたら元気になると思うよ。

 

 

 

今回のコラムでは、自分で音を出して自分を癒す、をテーマにご紹介しました。

みなさんはご自身へどんな癒しが効果がありそうでしょうか。

 

 

ーー

 

♪ 本日のマミィの即興YouTube

 

眠る前の15分をコンセプトに、あえて静止画で音に集中いただけるようにしました。

幸せに眠れますように…

執筆

ピアノ講師、ピアニスト、作曲家

東 真未

 

7才よりピアノを始める。洗足学園大学ピアノ学科卒業 。 ドビュッシー、サティ、バルトークなどの作曲家に影響を受け、幼少の頃より即興演奏に親しむ。近現代の作品を多く演奏し、卒業後はピアノ講師として5才から80才まで幅広く講師を行う。 自身がリーダーを務めるグループにて即興音楽を行い、数多くのセッション、バンドにキーボード として参加。作曲、アレンジ、ライブ活動、劇団や創作童話への楽曲提供及び演奏を行っている。ピアノを使った老化防止や心のケアを研究中。---マミィのピアノ教室、生徒募集中!!(※立川市、日野市にて実施)さまざまな用途、ご要望にお応えします。詳細はメールでお問い合わせください。また、本コラムへのご感想、質問などもぜひどうぞ!アドレス→ piano.mammyhiga@gmail.com

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