忙しくてもピアノを弾くとリセットされますね。

素晴らしいですね!上手にピアノと触れ合っていただいているからでしょうね。

 

私自身が、子供時代にピアノ=苦痛(先生が怖い)という感覚を持っていました。

にも関わらず、今や生活に欠かせない大切なものになっているのは、ある意味奇跡かもしれません。

ドクターKのように、大人になってから楽しむためにピアノをはじめて、自分へのご褒美、楽しみとしてピアノを弾く事ができるのは、とても良い事と感じています。

 

ピアノを弾くと疲れが取れる?

日常的にピアノに触れていて思うこと、

それはピアノの音、もしくは弾く行為が心を整えてくれる、という点です。

どんなに日常で嫌なこと、疲れが溜まっていても、自由に弾いたり、お気に入りの曲を弾くことでほぼ100%リセットできます。

 

これは一体何が起きているのでしょうか。

 

例えば、コーヒーやチョコレートで気分転換するかのように、全く別の事に集中した結果起こる現象なのでしょうか。

不思議なことに、だるかった体も楽になったように感じます。

 

ただ、ストレスの多い練習、例えば期日が迫っている演奏の準備などの場合は、状況が異なってきます。

長時間、集中力を要する作業で疲れるのは当然かもしれません。

 

 

視聴覚神経とピアノの配列

先日たまたまEテレの番組で、解剖学者の養老孟司さんが対談されており、とても興味深いお話しをしていました。

それは、脳の視聴野の神経細胞と、ピアノの鍵盤の配列が同じである、ということ。

 

初めて聞く事実に驚き、興味が湧きました。

そこで養老さんの著書を拝見したところ、そこには

「聴覚細胞は全て均等に並んでおり、周波数の対数通りに並んでいる。つまりピアノの構造と同じである」と書かれていました。

つまりある鍵盤を押すと決まった周波数が鳴る。それを聴き取る側であるヒトの神経構造も同様ということです。

 

 

鍵盤の誕生はいつ頃なのか

現在のピアノの鍵盤が最初に考案されたのは、ピアノという楽器の元祖、14世紀に生まれたクラヴィコードと言われています。

その時代に果たして神経細胞の配列を参考に作成したかは不明です。

人の解剖技術も現代のように精密ではないでしょうし、おそらくないのではないでしょうか。

ということは、やはりたまたま、周波数ごとに音を並べた結果、人の神経細胞と同じだった、ということになるのでしょうか。

 

人は何かを生み出す時に無意識に内(人体)に帰っている、と養老氏の記述にもありました。

 

また、実は建築の構造にも似たような話があり、大腿骨を割ってみてみると、なんと橋の梁の構造と同じだそうです。

発見したのが、たまたま解剖学者の公演を聞きにいった橋の建築家だった、という嘘のような本当の話も書かれています。

 

これらの事実はにヒトが研究を重ねて最適を選んだ結果なのか、それとも先人の感覚が原点へと戻るように、何か神がかった力によって作られたものなのか。

 

なんともミステリアスであり、人体の仕組みの凄さを感じます。

 

例えば、前述のピアノを弾くと疲れが取れる、と感じている理由が、視聴神経の構造と何か関わりがあるとしたら…

ピアノがこれだけの長い歳月、不滅な魅力を持って人々に愛されている理由の一つと言えるのではないでしょうか。

 

人は無意識に体が同調するものを求めているのかもしれません。

 

単なる偶然なのか、それともまだ人類が知らない何か大きな秘密が隠されているような、

なんとも神秘的でワクワクしてしまう話です。

 

 

ピアノと眠りについて

私の子供時代のピアノと眠りに関する思い出をご紹介します。

 

かつて、私がまだよく分からずピアノを練習していた時代のことです。

前回のコラムでご紹介した指のトレーニングの教本ハノンを弾いていて、なんと眠っていたことがあります。

 

指の意識はあったのか、一応指は寝ていても動いており、曲の後半あたりで目覚めました。

うとうと、というレベルですが、一瞬本当に寝ていました。

 

意識もうろうとしながらの練習は本当は良くはないことですが、人は単調な動きを繰り返していると眠くなる現象が起きます。

リラックス、というのとは違うかもしれません。

本当に集中して弾いていたら、こんな余裕はないはずですが、当時の私は学校で疲れていて惰性で練習していたのかもしれません。

 

もう一つ、これはちょっと切ない思い出ですが、バッハの平均率をレッスンで初見で弾くことがあり、必死に弾きました。

5分ほどして、ようやく弾き終わった、と先生をみると、なんとお眠りになっていました…

相当スローでたどたどしく、お疲れの先生には眠りの導入剤になったようでした。

 

 

眠りを誘うための音楽といえば、バッハの名曲「ゴルドベルグ変奏曲」が有名です。

こちらは眠れない夜が続いたゴルドベルグ伯爵のためにバッハが書いたと言われています。

美しいアリアから32の変奏が続きます。

かなりのボリュームなので、確かに中盤以降はグレン・グールドのような刺激的な演奏でない限り、眠気を催す効果はあると思います。

生演奏で眠れるとは、録音技術のない時代とはいえ、かなり贅沢なお話ですよね。

 

 

アリア、僕も練習しました!

シンプルなメロディで、いい眠りに入れますよね。

 

私の思い出は、決して優等生なお話ではありませんでしたが、

ピアノの音がリラックスする何かを持っている、という証明にはなるかもしれません。

 

 

即興ピアノでリフレッシュする

実は、3ヶ月ほど前からYouTubeで1分ほどの動画にタイトルをつけたものを投稿しています。

すっかり日々の日課となっていて、音楽を作るモチベーションにもなっています。

実際この活動を始めて以来、以前よりも前向きに音楽と向き合っているような、そんな意識もあります。

 

元々、自分がやっていた即興(作曲)メモ動画を記録として残しておきたい、というのが目的でした。

そのため、動画はとてもラフな作りで、恥ずかしながらミスタッチもあります。

が、そのテイクは基本的に同じようには再現できないため、その瞬間を大切に考えて自分の中でOKとしています。

また、その小さなアイデアにタイトルをつけることは、自分のミニ作品たちを額に入れて飾ってあげているようです。

 

自分ができる範囲で続けていく方が、無理なく続けられると判断した結果、このやり方に落ち着きました。

 

それらのミニ作品たちが、みてくださった方から高評価をいただくと、

さらに良い刺激を頂けています。今や生活の中の欠かせない活動の一つとなりました。

 

これらは本当に即興?とよく聞かれることがありますが、本当に本当の即興です。メモも何も用意しません。

モチーフを最初に探す準備をしたら一気に弾きます。

 

この動画を撮る時の私の脳回路はどんな状態なのでしょう。

やはり、いい曲が生まれた時は、良い状態でリラックスしてアルファ波が出ていると思っています。

 

そんなラフスケッチな演奏たちのチャンネルです。

よろしかったら覗いてみてください。

そして、もしも何か演奏へのお題がありましたら、ぜひお知らせください!

 

 

マミィ♪即興ピアノチャンネル

<https://www.youtube.com/channel/UCyZDBbhyf995ZdH-px2sdkQ>

 

「夜の散歩」

 

 

今日は、音と神経のつながり、リラックスをすることについて取り上げました。

皆さんはどのようなリラックス法をお持ちでしょうか。

この文章を通して、ピアノでリラックスしてみたいと感じていただけたら嬉しい限りです。

 

 

 

「本日の曲」

 

先ほどご紹介した、ゴルドベルグ変奏曲より第6変奏を。私が最も好きなパートです。

通常よりスローに、眠りに入ることをイメージしました。

最後ややアレンジしています。

 

 

 

ーーー

 

<参考文献、Web>

 

ヤマハ ピアノ誕生ストーリー

https://www.yamaha.com/ja/musical_instrument_guide/piano/structure/

 

養老 孟司著「かけがえのないもの」

 

執筆

ピアノ講師、ピアニスト、作曲家

東 真未

 

7才よりピアノを始める。洗足学園大学ピアノ学科卒業 。 ドビュッシー、サティ、バルトークなどの作曲家に影響を受け、幼少の頃より即興演奏に親しむ。近現代の作品を多く演奏し、卒業後はピアノ講師として5才から80才まで幅広く講師を行う。 自身がリーダーを務めるグループにて即興音楽を行い、数多くのセッション、バンドにキーボード として参加。作曲、アレンジ、ライブ活動、劇団や創作童話への楽曲提供及び演奏を行っている。ピアノを使った老化防止や心のケアを研究中。---マミィのピアノ教室、生徒募集中!!(※立川市、日野市にて実施)さまざまな用途、ご要望にお応えします。詳細はメールでお問い合わせください。また、本コラムへのご感想、質問などもぜひどうぞ!アドレス→ piano.mammyhiga@gmail.com

この記事をシェア

編集部おすすめ記事

人気記事ランキング