高齢になってもこんなに弾けるのか、というすごい動画を見つけましたよ!

 

 

Philip Springer  94歳の作曲家、ピアニストです。

 

ベートーヴェン ピアノソナタ「月光1楽章」

 

これは素敵ですね、とても深い響きです!無駄な動きがないですし、音に対する集中力をとても感じます。

 

いったいいくつまでピアノを弾けるものなんですかね~

 

危険なものではないですし、環境さえ整えられたら誰でも何歳まででもいけると思います。

それこそ指一本でも。

 

 

この方は、かつてピアニストだったとのことです。

その方が、90歳を迎えてもなお、ピアノに向き合う時間を大切にされていて、まさに私の目標です!

その音は本当にこの方の人生そのものを表現しており、若いピアニストには真似しても出せない音だと感じます。

 

 

 

実際いくつまで弾くことが可能か

世代ごとに無理せずにピアノに触れていることができれば、90、100歳であってもピアノの演奏を楽しむことは

不可能ではありません。

 

もちろん、体力勝負の大曲は難しいとは思いますが、若い時によく弾いていた曲などは、幾つになっても忘れないものです。

彼がピアニストであったこと、多くの曲が頭と体にしっかりと入っていること、

それを引き出してあげる環境があれば、仮に寝たきりの高齢者であったとしても演奏は可能です。

 

 

 

高齢になってからのピアノ

かつて、80代からピアノのレッスンに通ってくださった方がいらっしゃいました。

レッスンでは主に童謡や唱歌のメロディを弾き、左は和音をつけたりつけなかったり。

メロディを歌いながら弾いていらっしゃったのが印象的でした。

 

おそらく、若い時に弾いていた方と比べれば、動きを記憶することが難しい場合があります。

ですが、その方のように、ご自身が好きなメロディをゆっくりと奏でていただくことはできます。

止まりながらでも、少しずつ進めていただき、可能な限りハーモニーを豊かにしていくこともできます。

 

なるべく色々な指を使って弾くこと、

メロディを覚えて、それに合う左手の音を考える、両手で弾くタイミングを気にすること、

慣れてきたら音量をコントロールしたり、情感を込めること、

 

これらは、確実に脳を刺激し、心を安らかにしてくれます。

元気に年を重ねる上で、とても効果のあるものと言えます。

 

シンプルな音でも、感情を表現することができるということが、ピアノの良いところです。

弾き方を考慮すれば、年齢は全く関係ありません。

 

 

 

 

目標を持つこと

ただ漫然とピアノを弾いていても、飽きてしまったり、モチベーションが落ちてしまいます。

ぜひ冒頭のフィリップさんのように、パーティで弾いてみたり、ご家族や友人が訪ねて来られたら聴いてもらう!

という何か目標を持つこと。これはやる気の大きな原動力となります。

 

また、このYouTubeの素晴らしい点は、それを公開してくれる方がいたこと。

これにより、知らない方から多くの賞賛の声をもらっていらっしゃることと思います。

 

こういったSNSの使い方は大いに賛成です。

 

もしも、なかなかピアノを聴きに来てもらえるような状況にない方には、

SNSでの発信をして、世界へのデビューを体験していただくことも夢ではありません。

 

また何かやってみよう、と次の公開に向けてワクワクしながら練習する時、幸せな気持ちは倍増しますし、

何より練習をする目的ができます。

 

私も人生の折り返し地点ですが、これからチェロを弾きたい、という目標があります。

ピアノに関しては、何歳までも弾き続けていく覚悟ができています。

覚悟というと大袈裟なのですが、自分の時間として音楽を持ち続けることは、やめないで続けていきたいと思っています。

 

 

何かささやかでよいので、目標を持つこと。

そのために今できる準備を考えてみましょう。

 

 

 

今が大切

ずっと未来のことよりも、今の自分はどんな音を出しているのかな、昨日より良くなったかな、

ここができないから、今日わかるまでやってみよう、と今この時を大切にしていたら、きっと今より明日はいい音が鳴っているのでは?と思います。面倒だな、という日があったとしても、明日もっと下手になるくらいなら今やろう、と思うことで明日につながります。

 

その積み重ねが大きな変化を作ります。

夢見るだけで漫然と過ごしていて、突然すごい技術力がついてくるはずもありません。

スポーツでも勉強も仕事も同じく、学ぶということ、訓練すること、やってみること。

その積み重ねの先に、何かが見えてくるはずです。

 

時には、今はやらない、という選択もありますが、そのベースに「やり続ける」がなければ、

明日の自分は今日よりも「やらない」自分になります。

 

今を大切にして、「今やる」自分をぜひ作っていきましょう。

 

 

僕も100歳までピアノを続けたいので、よろしくお願いします!

それはすごいですね!お互い頑張りましょう!

 

 

それぞれのやり方や、表現があるから、音楽や芸術は面白いです。

当然年齢を制限をする必要もありません。

 

 

 

 

脳に効く!こんな練習方法

基本的にピアノを弾く、というアクションそのものが脳には絶大な効果がありますが、

どなたにもできて、毎日できる簡単な方法をお知らせいたします!

ぜひ朝のひと時や、午後眠い時など試してみてください。

 

  1. 手; グー、パー、チョキ を5回繰り返します。コツはしっかり指の先まで伸ばし縮めることです。
  2. 手+膝; 右は4回タンタンタンタンとたたきます。左は4回に1回叩きます。次に1、3回目に入れます。最後に2、4回目に入れてワンセットです。手を逆にすると、難易度が上がります。
  3. ピアノがあれば;右はドからソまで登って降りて。左は和音にしてドミソを弾きます。タイミングややり方は「2」でやってみた通りで。

 

特に2、3は左右で異なったタイミングで行うこと、少し難しい方が、特に効果が上がります。

 

これから集中をしたい方、ちょっと気持ちが落ち着かない、だれてきたな、といった時に手指を動かしたりほぐすと、

停滞している血流や神経が活性化して、よりよい結果が出せます。

 

 

ーーー

 

今回のコラム、実は自分への言葉でもあります。

 

死ぬまで毎日ピアノを弾いていたい、と思っていますが、

誘惑に弱くて、時にサボってしまうことがあります。

 

 

時間はあっという間です。

日々の積み重ねが未来の自分を作っている、と思うと、

未来の自分に叱られないように、大切に過ごしていきたいな、と感じます。

 

自分が動けない状態に陥った時、私にできることはなんだろう、と時折想像します。

運よくピアノを弾けていたら、それを許してくれるような環境を与えていただけいたら幸せです。

 

ーーー

 

今日の1曲は、ここ最近Twitterで投稿をしている、「即興シリーズ」のモチーフを進化させた曲です。

人と人の気持ちの追いかけっこをイメージして作りました。

(Twitter “mammy piano room”(https://twitter.com/mamkub)もぜひのぞいてみてくださいね)

 

♪ 追いかけっこ

 

 

 

<参考>

古屋晋一、『ピアニストの脳を科学する』、春秋社、2012。

執筆

ピアノ講師、ピアニスト、作曲家

東 真未

 

7才よりピアノを始める。洗足学園大学ピアノ学科卒業 。 ドビュッシー、サティ、バルトークなどの作曲家に影響を受け、幼少の頃より即興演奏に親しむ。近現代の作品を多く演奏し、卒業後はピアノ講師として5才から80才まで幅広く講師を行う。 自身がリーダーを務めるグループにて即興音楽を行い、数多くのセッション、バンドにキーボード として参加。作曲、アレンジ、ライブ活動、劇団や創作童話への楽曲提供及び演奏を行っている。ピアノを使った老化防止や心のケアを研究中。---マミィのピアノ教室、生徒募集中!!(※立川市、日野市にて実施)さまざまな用途、ご要望にお応えします。詳細はメールでお問い合わせください。また、本コラムへのご感想、質問などもぜひどうぞ!アドレス→ piano.mammyhiga@gmail.com

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