はじめまして、4ヵ国で薬剤師として医療ボランティアをしていた森本夏子と申します。

私が行なった医療ボランティアとは「医療が受にくい国・地域に行き医療を提供する活動」のことをいいます。

医療ボランティアとして活動する中で、日本では経験することのできない出来事がたくさんありました。

本記事では、私が医療ボランティアで活動て特に衝撃的だったインドで命に関する出来事を紹介します。

なぜ医療ボランティアに参加することになったのか

なぜ私が医療ボランティアに参加することになったのかご説明します。

元々、ボランティアに興味があり2012年からタイのメーソットにある孤児院や少数民族の村を支援していました。子供達への支援は現在も続けていますが、自分のプロフェッショナルな分野で人の役に立ちたいという思いが強く、国際的にボランティアを行なっている団体に所属しました。

医療ボランティアでの活動内容

オーストラリアで研修後、私のチームはインド、ボツワナ、そしてタイへ医療ボランティアとして活動しました。医療体制が整っていないスラムへ行き、オープンエアクリニックと称し医療活動を行ってきました。

オープンエアクリニックとは、屋外でコンサルテイション(日本でいう診察)を行い、必要ならお薬を渡すというシンプルな受診形態です。椅子があれば良い方で、花壇に腰をかけながら行うこともありました。もちろん、無料でお薬や栄養剤などを提供していました。

医療ボランティアで活動していたインドで衝撃的だったこと

数カ国で活動したなかで、インドでの出来事が衝撃的でした。特にインドの医療ボランティアをする上で、「命の大切さ」について改めて感じさせられました。

1. インドの道路で衝撃!交通事故死亡者数は日本の42倍

インドの道路は車や、バイク、バスなどの乗り物だけではありません。インドには歩道がなく、人も車もみんな同じ道路を使います。

オートリキシャ(トゥクトゥク)と呼ばれる三輪タクシーもたくさん走っており、道路が混んでみんながクラクションをずっと鳴らしています。移動中はクラクションの音で話もできないほどです。

インドでさらに衝撃だったのは、牛を連れたおじさんもその交通渋滞の中で歩いていたことでした。

カオスな状況な道路にも関わらずスピードを出す人が多く、とても危ない状況です。また、スピードの出しすぎがインドでの交通事故の多くの原因と言われています。

2018年に発生した交通事故は46万7,044件で、それにより15万1,471人の方がなくなっています。1日あたり約415人、1時間あたり約17名の尊い命が失われている計算になるのです。

ちなみに2018年の日本の年間の交通事故での死亡件数は3,532名。

インドの人口が13.5億人で、日本の人口と比べて11.25倍ですが、交通事故死亡者数は42倍と圧倒的に多いです。

私の滞在中も、オートリキシャで移動中にバイクの交通事故現場を見ました。自動車やバイクは便利な乗り物ですが、道路が整備されていなければとても危険な自体を招くことになります。

<参考>

Road accidents claimed over 1.5 lakh lives in 2018, over-speeding major killer

 

 

2. インドの薬局で衝撃!

インドの薬局で衝撃だったのが、向精神薬が処方箋なしで買えたことです。

私は医療ボランティア活動中に薬の在庫の担当しており、お薬が足りなくなったら現地の薬局で購入していました。

インドの薬局は日本のドラッグストアや調剤薬局そんなイメージではありません。例えるとしたら昭和初期の駄菓子屋さんです。街角にある何でも屋さんで、中に男性が一人いるだけです。薬だけではなく洗剤などの生活用品やお菓子、飲み物も売っています。

薬局では、痛み止めや、ビタミン剤を1錠からでも購入することができます。
ある日、日本では処方箋がないと買えない薬をインドでは買うことができるのか知りたくなり、試してみました。

「ゾルピデムある?」と中で売っている男性に聞いてみました。日本ではマイスリー®︎という名前で知られ、向精神薬に分類されます。寝つきをよくする時に用いられるお薬です。

「処方箋がなければ買えないよ」という答えを待っていましたが、男性から発された言葉は「何錠欲しい?」でした。

日本では、向精神薬は処方日数の制限があるほど厳密に管理されているお薬の一つなのでとても驚愕しました。リスクがある、副作用があるお薬にも関わらずインドでは普通の街角で売っています。

日本とインドの薬の取り扱いがあまりに違って、お薬の乱用に繋がるのではないかと不安に思った出来事でした。

インドは、ジェネリック大国として世界の20%のジェネリック薬品を製造していますが安全性に関しては、疑問を持たれているのも事実です。

<参考>

インド製ジェネリック薬品の恐るべき実態

3. インドの川で衝撃!命の大切さを知る

インドは、約78%がヒンドゥー教徒と言われています。
ヒンドゥー教の儀式の一つに沐浴があります。川で沐浴をする事により罪が流れ、徳が増すと考えられています。

私が行ったビジャヤワダにあるクリシュナ川でも行われていました。
洗濯もしていたり、人が沐浴していたりで綺麗な川ではありません。

しかし人は信仰心を持って聖なる川で罪を洗い流そうとしています。
その横にダムがあるのですが、ダムでの自殺者がとても多いと現地のコーディネーターから聞きました。

聖なる川とされているすぐ横には、毎日のように身を投げ自身の命を断つ人がいます。
その現実を知って、言葉にならない気持ちになりました。

実際、インドの自殺率を2016年のWHOのレポートより調べてみると、インドの自殺率は10万人あたり16.5人でした。
これは世界で見る10万人あたりの自殺者数の10.5人より多くなります。
人数で見ると21万5,872人で日本の2万3,684人と比べると約10倍の人の数の命が失われています。命を絶つ理由としては家族の問題が一番多く、続いて病気、結婚に関する事柄です。

インドでは自殺者の増加に関して国の問題として取り上げられています。とても悲しい現実です。私たちのチームはその川で人々が自分の命を大切にしますようにと祈りました。

<参考>

https://apps.who.int/iris/bitstream/handle/10665/326948/WHO-MSD-MER-19.3-eng.pdf
https://timesofindia.indiatimes.com/india/where-how-and-why-do-15-indians-kill-themselves-every-hour/articleshow/72052166.cms

まとめ

インドでは記載した、記載した交通事故だけでなく多くの人の命が日々失われています
医療を提供する者として、命の尊さを軽んじてはいけないとインドでの活動の中感じました。一人でも多くの人が命を断つ前に手が差し伸べられることを願います。
皆さんも、今一度命の大切さを見つめ直しませんか?

著者

森本 夏子

 

webライター 薬剤師 医療ボランティアとして4カ国で活動経験あり

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