日本でもランニング人口が増えて久しいが、多くのランナーを見てきた有吉さんはランナーに伝えたいことが山ほどある、と言う。とくに故障を抱えるランナーの多さは気がかりだ。

「走ることで幸せになりたいのよね、あなたたち! って問い詰めたくなります(笑) ランニングブームの時には女子ランナー向けのイベントなども開きましたが、毎月フルマラソンに出る、とか走るのをやめると太ってしまう、という強迫観念にかられているランナーを見るとそう思います。彼女たちが高齢者になったときに、股関節はどうなっちゃうんだろうって。

距離を踏むのは確かに楽しいことです。エンドルフィンが出てわかりにくくなっているけど、とはいえ痛いのを我慢して走るような状況は避けるべきです。一般人が疲労骨折するなんて事態は、やっぱりちょっとおかしいですよね。

筋肉の調子をいつも自分で確かめて動く。それがいい人生につながると私は思います」。

コンディショニングで日本を元気に!

本連載では、各界で活躍されるキーパーソンの言葉から人生100年時代を生きるポジティブな加齢、プロダクティブ・エイジングのあり方を探っている。有吉さんのコンディショニングにはそのヒントがたくさん詰まっているように見える。

筋肉は人生の履歴書だ。アスリートの筋肉には競技特性ゆえの発達と問題が刻まれているし、高齢者のふだんの姿勢には長い人生を見ることができる。コンディショニングはそれを明らかにして、よりバランスよく、より健康な方向へと導いてくれる。

「筋肉が変わると人生が変わる」というのが有吉さんの持論だ。そして、「筋肉はいくつになってもトレーニングできる」とも。誰もがトップアスリートにはなれるわけではないが、誰でもコンディショニングで健やかに歳を重ねることはできる。

このコロナ禍だからこそ、その思いはさらに強くなった。

「今までは何か体に不調を感じたらすぐに病院に行けましたけど、このご時世で、病院はやっていなかったり逼迫していて気軽には行ける場所ではなくなってしまいました。痛くてもじっと自宅で安静にして耐えている人が増えているんです。だからひとりでも多くの方に、コンディショニングを届けたいと心底思います」

有吉与志恵

福岡県出身。一般社団法人日本コンディショニング協会 会長。中学・高校時代にスプリンターとして活躍、日本体育大学へ。在学中は故障に悩まされ、怪我のない運動を広めるべく指導者の道へ進む。運動指導者として30年以上のキャリアを積み、筋肉を鍛えるよりも整える事で、体調と体形を劇的に改善できる「コンディショニングメソッド」を確立。高齢者から現役アスリートまで、幅広い層へのセルフコンディショニング指導のほか、学校や企業、地方自治体向けの講演・講習会や指導者の育成にも情熱を注いでいる。

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「ココロとカラダがよろこぶ日曜日。」がテーマのJ-WAVE 『MAKE MY DAY』にて毎週日曜日 AM7:05-7:15にお届けしているヘルスケアプログラム。毎月ひとつのテーマに沿ったヘルスケア情報を、専門家のコメントでご紹介。2020年9月は、コンディショニングトレーナーの有吉与志恵さんを迎えてお届けしています。
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人生100年時代を迎え、より充実した人生を送るためLIFE IS LONG.をメッセージに掲げ、健康の維持に対し明確な科学的根拠を有する食品“ニュートラシューティカル”の提供を通じて、「生まれてから最後の日まで、歳を重ねることに前向きで自分らしい人生を全うできるプロダクティブ・エイジング」の実現を目指すヘルスケア・カンパニー。
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