人生が前向きになる朝の10分間。J-WAVE 81.3FM MAKE MY DAY「NOMON YOUR WELLNESS」。
美容や健康などから毎月テーマを設け、ゲストのライフスタイルから「プロダクティブ・エイジング」につながる日常のヒントを毎週日曜日の朝にお届けしているNOMONのラジオコーナー。
ON AIR ARCHIVESでは、毎週の放送内容を再編集したアーカイブ記事として連載。日常の景色が少し変わるヘルスケア情報をお届けします。
今月は、近年注目を集めているメンタルヘルスについて特集します。数々の一流アスリートのメンタルをトレーニングしてきた、メンタルトレーナーの久瑠あさ美さんにお話を伺っていきます。
「メンタルトレーニング」という言葉は、最近よく耳にする方も多いかと思います。みなさん、ポスト・コロナで外出することも少なくなり、お家にこもりがちですよね。久瑠さんのお話を参考にして、ちょっとしたメンタルアップができるトレーニングにトライしてみてはいかがでしょうか。
久瑠さん、よろしくお願いいたします。
メンタルトレーニングで、できないことをできるにかえてしまう
私が行なっているメンタルトレーニングというのは、簡単に言うと「できることをもっとできるようにする、できないことをできるに変えてしまう」ことです。つまり、潜在的な能力を引き出すことをトレーニングで行なっていきます。
例えば、無理だと思って諦めていたこと、これまで苦手だと思っていたことってたくさんあるじゃないですか。性格が問題だったり、自分の能力が足りないと思い込んでいたりで、自分の力を引き出せてない方がほとんどなんですね。
そして、今できていることは、人間の能力のわずか1割以下でできているって言われています。では、残りの能力9割はどうしているかというと、無意識の中に眠っているんですね。
これを聞くとどんな方にも能力アップの可能性は無限大にありますよね。最近では、自分の能力を引き出すために日常でメンタルトレーニングを取り入れている一般の方も多くなってきました。
ビジネスパーソンの方々や、アスリートの方々は当初から、トレーニングを取り入れていますし、最近では、受験を抱えているお子さまとか、子育てで悩んでいるママなんかも私のところにたくさんいらっしゃいます。
できないことをできるに変える。無理だと諦めていることって誰にもありますよね。実はわずか1割しか使えていないという能力を最大限に引き出すのが、メンタルトレーニング。できることできないこと、その差に影響しているのが、人間の意識なんですね。
顕在的な意識と潜在的な意識
人間には2つの意識があります。ひとつは普段使っている顕在意識で、1割以下の能力しか使われていません。もうひとつは、残り9割の潜在意識で、この意識はほぼ活用されていない状態なんですね。
できていること=顕在的な力で、できていないということは、顕在的な力の中でできないと自覚してしまっているんですね。
だから、できないと自覚していることをメンタルブロックと呼んでいるんですが、これは自分の心の中で壁を作ってしまって、自分が持っている本当の力をほとんど引き出せていない状況のことなんです。
メンタルブロックという心の壁。久瑠さんのトレーニングでは、どういったアプローチでこの壁を取り除くのか教えてください。
できないと思ってしまう心の壁を壊すことが大事
人間って自分が作り出している壁に、そもそも気づいていないんです。
例えば跳び箱が飛べなかった子供が、ある日突然飛べるようになる。これは筋力とか運動能力の違いではなく、コツをつかんだ感覚で、自転車に乗れなかった子供が、ある日突然乗れるようになることと一緒で。
もちろん練習をすることは大事ですが、もっと大事なのは体感的に、感覚的にコツをつかんで、自分ができるって意識でわかることなんです。
筋力や運動能力だけで、できないって思ってしまうのは心の壁で、まずはそれに気づかせてあげること。そして理解することで壁を取り除くことができます。
自分ができるって意識が生まれることで、能力は向上します。
では、潜在的な意識、能力を引き出すヒントはどんなところにあるのでしょうか?
なりたい自分をイメージする
私は、潜在的な意識や能力を引き出すのに必要な要素は、別人になれるという感覚だと考えています。
例えばですが、俳優がステージや舞台に上がって別の人格を演じるじゃないですか。彼らは決して嘘を演じているのはなく、心からその人物になりきることで、リアリティを作り出していますね。
観客はそれを嘘だと思って見ていませんよね。本当にその人の人生を見ているような感覚を持つわけですよね。だから、私はこうなりたいとか、ああなりたいとか、なりたい自分をイメージすることがとっても重要だと考えているんです。
イメージしてなりきることで、リアリティが生まれ、なりたい自分に意識的になることができる。そうすることで自分もそうですが、周りからもリアルに見えてくるんですね。
だから、メンタルトレーニングでは、なりたいものをイメージすることがとっても重要なんです。
ただし、自分でこうなりたいとか、イメージできる方は本当に少ないんですよね。
私がすごく感じているのは、みなさん、昨日までの自分にこだわり過ぎて、今日とか明日をどうしたいのかっていうイメージをそもそも持っていないこと。
そして、そのマインドを毎日繰り返しているから、変わることができないと思っています。
だから私は、潜在意識を引き出して能力を高めるために必要なのは、まずは明日突然自分が変わるとか、自分の新しい人生がはじまるとか、強く意識してイメージを持つことをメンタルトレーニングで伝えています。
いや、メンタルトレーニングは奥が深いですね。過去の自分に囚われず、新しい自分をイメージする、そしてなってしまう。そんなアプローチをみなさんも試してみてください。
来週も久瑠あさ美さんからメンタルトレーニングのヒントを教えていただきます。ラジオと合わせてお楽しみください。
久瑠 あさ美
メンタルトレーナー/作家
「ff Mental Room」(フォルテッシモメンタルルーム)代表。
心療内科の心理カウンセラーとして勤務後、トップアスリートのメンタルトレーニングに積極的に取り組み、注目を集める。企業経営者、各界アーティスト、ビジネスパーソンなど個人向けのメンタルトレーニングを行い、延べ10万人を超えるクライアン ト実績。企業や自治体への講演活動や人材教育、「潜在能力を引き出す突破力研修」など潜在的な力を引き出す人材育成プログラムを開発。医療、介護に特化したマインドプログラムにおいては、空間創りから参加するなど活動は多岐に渡る。毎月開催される本格的な体感トレーニングを行う<心を創るマインド塾>や<メンタルトレーナー養成塾>や年2回の〈春期・秋期「マインドの法則」~3日間“心の実学”集中セミナー〉を主宰している。『鏡面感覚トレーニング』、『コラージュトレーニング』など感性を高める実践的な単発レッスンも行っている。雑誌・テレビ・ラジオなどメディア出演も多数。著書に『人生が劇的に変わるマインドの法則〜実践ワーク』『このまま何もしないでいればあなたは1年後も同じだが潜在能力を武器にできれば人生はとんでもなく凄いことになる』『久瑠あさ美のイキザマ革命』など累計100万部を超える。
J-WAVE 81.3FM MAKE MY DAY「NOMON YOUR WELLNESS」
「ココロとカラダが喜ぶ日曜日。」がテーマのJ-WAVE『MAKE MY DAY』にて毎週日曜日AM7:05-7:15にお届けしているヘルスケアプログラム。毎月ひとつのテーマに沿ったヘルスケア情報を、専門家のコメントでご紹介。WEBメディア「onyourmark」と連動して、番組で紹介しきれなかったエピソードなどを掘り下げて紹介。「LIFE IS LONG JOURNAL」にて公開中。
2020年7月は、メンタルトレーナー久瑠あさ美さんを迎えてお届けしています。
NOMON YOUR WELLNESS × onyourmark vol.3
“想像力が先行き不透明な時代のカギ” メンタルトレーナー 久瑠あさ美
onyourmark
WEBメディア「onyourmark」と、講談社より発売されるその雑誌版『mark』とは、スポーツやワークアウトを始めたい、続けたい⼈の“やる気を刺激するスポーツライフスタイルマガジンです。
今月はメンタルトレーニングについてお話していきたいと思います。近年、メンタルトレーニングという言葉はスポーツやビジネスなど様々なシーンで耳にするようになりました。