!

2023年夏。

街中でマスクをしている人を見かけることも減り、いつ来るのだろう?と思っていたアフターコロナの時代になったのだな、と実感しています。

振り返ってみれば、すでに遠い昔のことのような気がする、あの3年間が私たちにもたらしたものは何だったのでしょう。

生活や働き方が半ば強制的に変化して、新しいやり方を身につける必要がある、会いたい人に会いたいときに会えない、価値があるものの順番が入れ替わる、また、いくつかの別れを経験した方もいるでしょう。

私たちは、人生の目的や意味を考え直すきっかけを与えられたとも言えます。

これまで「これは絶対変わらない」、「こうしていれば大丈夫」を思っていたことが、そうではないことを知ることになったり、これまでの価値観が揺らぐ経験をしました。

当たり前のように考えていたことやものの大切さを痛感する場面もあったでしょう。

このことは、私たちのこれからの生き方・働き方に少なからず影響を及ぼしています。

 

アフターコロナを迎えた今、立ち止まって、少し時間をとって、私たちが自分の人生で大切にしたいことは何なのかを考えてみてもよいのかもしれません。

言ってみれば、私たちが生涯を通じて目指し続ける北極星のようなものを見つけるのです。

目指したい方向が明確になっていて、それに沿った行動を日々とれることは、私たちのウェルビーイングも高めてくれます。

すぐに「これだ!」と見つかるわけではありませんが、今回は、自分の北極星を見つけるのに役立つ方法を3つご紹介します。

まず、一つ目は、「100歳の誕生日をイメージ!」です。

自分の100歳の誕生日を想像してみましょう。

家族や友人が次々と、お祝いの言葉を述べてくれているところをイメージします。

その言葉には、あなた自身のそれまでの生き方が表れていることでしょう。

家族や友人の口から、どんな言葉を聞きたいか、また、聞きたくないか、書き出してみましょう。

「思いやりがある」、「誠実」、「ユーモアがある」など、どんな言葉が並んでいるでしょうか。

この中に、北極星のヒントがあるかもしれません。

 

次は、尊敬する人の言動を手がかりにする方法です。

あなたが尊敬している人を頭に思い浮かべてください。

そして、その人の言動のどんなところに、あなたは尊敬の念を感じるのか、こちらも書き出してみましょう。

あなたが尊敬する人が体現している「価値」は何でしょうか。

 

最後の方法は、自分のこれまでの体験をヒントにする方法です。

どんな行動をとったときに自分らしく感じられるか、自分に満足していられるかを振り返ってみましょう。

たとえば、自分の得意なことで誰かを喜ばせられたときに、自分らしさや満足を感じたとしたら、「人を喜ばせる」ことがあなたが人生で大切にしたいことかもしれません。

まだ誰も気づいていない方法で新しい何かを生み出そうとするときに、ワクワクして、自分らしさを感じるとしたら、「創造的である」ことがあなたが大事にし続けたいことかもしれません。

電車で誰かに席を譲ったときに、しあわせな気持になったとしたら、「親切でいること」があなたの北極星かもしれません。

 

どうでしょう。

3つの方法で探ってみたときに、共通するものがあれば、それこそ、あなたが人生で目指し続けたい方向、北極星かもしれません。

すぐには見つからなくとも、定期的にこの方法で大事にしたいことを言語化することで、少しずつ明確になっていきます。

北極星が見つかったら、それを体現する日々の行動(小さなものでも十分です)を決めて、実践してみてください。

毎日の生活の中で、しあわせを実感する瞬間が増えていくはずです。

執筆

博士(心理学),臨床心理士,公認心理師

関屋 裕希(せきや ゆき)

 

1985年福岡県生まれ。早稲田大学第一文学部を卒業後、筑波大学大学院人間総合科学研究科にて博士課程を修了。東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野に就職し、研究員として、労働者から小さい子をもつ母親、ベトナムの看護師まで、幅広い対象に合わせて、ストレスマネジメントプログラムの開発と効果検討研究に携わる。 現在は「デザイン×心理学」など、心理学の可能性を模索中。ここ数年の取組みの中心は、「ネガティブ感情を味方につける」、これから数年は「自分や他者を責める以外の方法でモチベートする」に取り組みたいと考えている。 中小企業から大手企業、自治体、学会でのシンポジウムなど、これまでの講演・研修、コンサルティングの実績は、10,000名以上。著書に『感情の問題地図』(技術評論社)など。

この記事をシェア

編集部おすすめ記事

人気記事ランキング