お酒は、飲みすぎると体に悪いことは分かりますが、実際にどれくらいの量を飲むのが適正量なのでしょうか?
近年、アルコールについて調べられた結果から分かった効果や適正量を見ていきましょう。
上手くお酒と付き合うことは、自分の寿命を全うすることに繋がり、病気になるリスクを減らすことも分かっています。
また、最後の項目では二日酔い対策を3つに分けて見ていきましょう。

アルコールは体内でどう代謝される?適正量はどのくらい?

お酒の成分であるアルコールは、体内に入るとそれぞれ胃で約20%、腸で約80%が吸収されて、その後ほとんどが肝臓で処理されます。
肝臓で酵素により分解されると、二日酔いの原因物質の毒であるアセトアルデヒドになり、酵素により酢酸という物質に分解された後、血液に入ると二酸化炭素と水に分解されます。
最後に、呼吸や尿、汗として体外へ出ていく流れです。
イギリスのケンブリッジ大学を中心に行われた研究では、過去に行われた19カ国の飲酒習慣に関わる研究結果83件を見直して研究しました。
調査の人数は、すべての研究を合わせて約60万人で、7〜8年間アルコールを消費した量と本人の健康状態がどう関わるのかについて調べました。
この調査では、健康を損なわずに安全にアルコールが飲める量は、一週間のうち約100gという結果です。
人によって体質も異なるため、絶対にこの量を超えると害になるという決まりはありませんが、適正量はあまり多い量ではないことは確かです。

<参考>

Risk thresholds for alcohol consumption: combined analysis of individual-participant data for 599 912 current drinkers in 83 prospective studies

アルコール摂取の効果とは?メリットとデメリットについて

アルコールに強いか弱いかは、遺伝子的に決まる部分も多く、お酒を飲むことに対しては、メリットとデメリットの両方があります。
大量の飲酒が体に悪いことは、誰でも想像ができると思いますが、具体的な詳細をイメージできないとやめられないことも。
以下では、適度に飲んだ場合のメリットと、大量にお酒を飲んだ場合のデメリットを具体的に説明していきましょう。

メリット:適度に飲む場合はリラックス効果が期待

お酒は、適度に飲む分には気持ちが高まり、心をリラックスさせられます。
これは、理性をつかさどる大脳新皮質の働きが弱まり、本能に関わる大脳皮質である辺縁系などの働きが強まるためです。
お酒には香りが付いたものも多く、例えばビールの材料として使われるホップは、人間の気持ちを
安定させるとも言われています。
アルコールに飲まれすぎず、一杯いっぱいじっくりと体と相談しながら飲むようにしましょう。

デメリット:大量に飲むと病気や死亡リスクが上がる

冒頭の研究では、一週間の摂取量が100g以上を超えた人は、病気を発症することが多くなりました。
例えば、脳卒中は14%、高血圧性疾患は24%、心不全は9%、大動脈瘤は15%発症する確率が上昇します。

イギリス人の40歳の適正量とされている一週間当たり112gよりも多くアルコールを飲み続けた場合、平均的な寿命が約1.6年も短くなると言われています。

二日酔い対策!アルコールを体外へ排出する方法

脳の機能が阻害されたり、記憶を失うまで飲んだりすることはなるべく避けてほしいと思います。
飲みすぎると、頭痛、気分の悪さ、吐き気やめまいを一度は体験したことがありませんか?
そんな時に使える、二日酔い対策として、アルコールを体の外へ上手く出す方法をお伝えします。

 

サプリメントや健康補助ドリンクを摂取

レモン

アルコールを上手に分解させる働きを助けるために、サプリや健康補助ドリンクを利用できます。
例えば、ビタミンCは、シトクロムP450と呼ばれる酵素でアルコールの分解をサポートする役割があります。
ビタミンCは、水溶性といって水に溶けやすいため、サプリや補助ドリンクで飲みすぎた場合も、尿から排出されます。
付き合いでお酒を飲む場合は、レモンが入っているお酒を頼むのが良いかもしれません。

タンパク質やビタミンが多い食品をとる

上記でも一部紹介しましたが、ビタミンやタンパク質の多い食品をお酒と一緒に取るのもおすすめです。
すきっ腹にそのままアルコールを入れると、酔いが回りやすいので、先に食事を取っておくことで、対策にも繋がるでしょう。
例えば、ビタミンCが多いのは、レモン・ブロッコリー・生のキャベツなどです。
ビタミンB群が多いのは、卵や肉類で、これらにはナイアシン(ビタミンB3)と呼ばれる補酵素も多く含まれており、これはアルコールの代謝物であるアセトアルデヒドの分解を助ける補酵素になります。
特にナイアシンが多い食べ物は、魚のカツオやマグロ、ナッツ類、レバー肉です。
魚や肉類には、肝臓の解毒能力を高めたり、アルコール代謝を促したりするタンパク質も多く含まれているので、おつまみのついでに、一緒に取ることをおすすめします。

<参考>

栄養学のプロが語る、究極の二日酔い対策

水や白湯を一緒に飲む

アルコールは水に溶けやすい性質があるため、お酒と一緒に白湯や水を横に置いておくのがおすすめです。
体内でアルコールを分解する時に起きがちな脱水症状を防ぎ、分解を助けてくれます。
目安はお酒を飲んだ量と同じ量の水を一緒に取ることです。
周りの目を気にせずに、自分の体をいたわるために水を飲むことで、未然に二日酔いの嫌な症状を予防することに繋がるでしょう。

まとめ

アルコールの適正量やメリットとデメリット、二日酔い対策を見てきました。
これだけの量なら大丈夫という明確な決まりはありませんが、一週間で約100g以下の量になるように調整すると良いでしょう。
お酒を大量に飲むことは、病気のリスクを上げて寿命も短くなる傾向があります。
どうしてもお酒を飲まないといけない席では、二日酔いの対策にも繋がる対策を取り入れてみてください。

<参考記事>

アルコールは1日1杯でもリスク? 「適量」に再定義の必要性

二日酔い対策のために科学者が結集した結果、わかったこと

執筆

LIFE IS LONG JOURNAL編集部

 

LIFE IS LONG JOURNAL編集部。 ”LIFE IS LONG JOURNAL”は「人生100年時代」を迎え、すべての人が自分らしく充実した人生を歩んでいくための「健康寿命」を伸ばすために役立つ情報を発信するメディアです。

この記事をシェア

編集部おすすめ記事

人気記事ランキング