眠りたいのになかなか眠れないのは、とてもつらいもの。しかも、「眠らなきゃ」と思えば思うほど、ますます眠れない…という経験をしたことがある人も多いでしょう。
でも実は、自然に眠くなるためのコツがあるんです。どれも今日から始められる、とても手軽な方法。不眠症と悩む方も、まずは気軽に試してみてください。
Index
眠れるようになるコツ
すっと眠れるようになるには、以下のコツがあります。
心と身体をリラックスさせる
まずは心と身体をリラックスさせること。副交感神経が優位になるため、緊張がゆるみ、自然と眠気がやってきます。
寝る前に考えごとをしがちな人は、「気持ちを切り替える」習慣を取り入れてみるのも効果的です。
体内リズムを整える
体内リズムを整えることもポイント。日中は明るく、夜は暗く、といった自然と同じ光の浴び方をすることで、体内リズムが整います。すると、夜に体温が下がり、眠くなるようになります。
・【眠くなる方法3】体内リズムを調整する
寝室環境を整える
寝室環境を整える工夫も必要です。「寝室は寝るための場所」と脳に覚えさせることでスムーズに眠りにつけるようになります。
・【眠くなる方法4】睡眠ホルモン「メラトニン」を増やす
食事の工夫
食事で睡眠ホルモン「メラトニン」を増やす工夫もおすすめ。毎日の朝食メニューで睡眠ホルモンが増やせれば、快眠体質に近づきます。
・【眠くなる方法5】眠気を誘う睡眠ホルモン“メラトニン”を食事で増やす
眠る前の工夫
最終段階として、寝る前の習慣=入眠儀式を取り入れるのも手。これまでの方法で眠りやすい環境・身体が整っていれば、さらに眠りモードにシフトしやすくなります。
それではそれぞれ詳しくみていきましょう。
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【眠くなる方法1】リラックスする
布団に入って自然に寝つき、気持ちよく眠るためには、寝る前に充分リラックスすることが大切です。
なかなか眠れないときは、心身が昼間と同じ緊張状態にあるということ。活動的にさせる交感神経(昼の神経)から、リラックスさせる副交感神経(夜の神経)に切り替えて、心身ともにリラックスすることが、寝つきをよくする近道です。
寝る前に腹式呼吸をする
副交感神経を優位にする手軽な方法は、「腹式呼吸」。寝る前に実践してみましょう。
- Point
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・パジャマに着替えていつでも寝られる状態にする ・布団の上で、寝る直前にやる
<寝る前の腹式呼吸>
①:仰向けになり、足は肩幅程度に開き、両手は上に向けて両脇におく。
②:「1・2・3」のリズムで鼻からゆっくり息を吸い込んで、お腹をしっかり膨らませる。
③:「4・5・6」のリズムで口からゆっくり息を吐き、3秒間息を止める。
④:②③を3分間ほど繰り返す。
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筋弛緩トレーニングをする
肩こりや腰痛などの原因は、疲れやストレスからくる筋肉の緊張。身体のこりがひどいときは、「筋弛緩トレーニング」で全身をほぐすと、寝つきやすくなります。
Point
パジャマに着替えていつでも寝られる状態にする ・布団の上で、寝る直前にやる
<全身のこりをほぐす筋弛緩トレーニング>
①:仰向けになって全身の力を抜く。手を両脇に置き、目を閉じる。
②:両手を5秒間ギュっと握る。
③:一気に力を抜いて、30秒間リラックスする。
④:②③を2、3回繰り返す
<肩のこりをほぐす筋弛緩トレーニング>
①:仰向けになって全身の力を抜く。手を両脇に置き、目を閉じる。
②:両手を5秒間ギュっと握る。
③:一気に力を抜いて、30秒間リラックスする。
④:②③を2、3回繰り返す
<肩のこりをほぐす筋弛緩トレーニング>
①:仰向けになって全身の力を抜く。手を両脇に置き、目を閉じる。
②:肩にギュっと力を入れる。
③:一気に力を抜いてリラックスする。
④:②③を2、3回繰り返す。
ぬるめの湯船につかる
人の身体は、中心部の体温=深部体温が下がると、自然と眠くなるようにできています。本来、夜になると自然と深部体温が下がるようにできていますが、不規則な生活が続くと下がりにくくなり、不眠の原因にもつながります。
そういったときは、入浴で深部体温をコントロールする方法を試してみましょう。寝る1時間前までに、38~40℃のぬるめの湯船につかります。お風呂からあがり、汗がひくころに布団に入るのがベスト。深部体温が下がり始めるので、眠りにつきやすくなります。
夕食後にウォーキングをする
夕食後にウォーキングなどの軽い有酸素運動をすると、入浴と同様、身体の深部体温が上がり、下がるタイミングで自然な眠気を感じることができるため、寝付きがスムーズになります。ウォーキングを行うのは眠る時刻の3~4時間前がよいでしょう。
【眠くなる方法2】心のモヤモヤを封印す
悩み事や心配事は、忘れようとしてもなかなか難しいものです。気になることがあって眠れないときは、気持ちを切り替える儀式をする習慣をつけて、すっきりとした気持ちで布団に入るようにしましょう。
悩み事を書き出す
まず、ノートとペンを用意しましょう。今日あったイヤなこと、気がかりなことなどをすべて書き出しましょう。 思う存分書ききったら、ノートを引き出しにしまいます。そして、「はい、今日はおわり」と締めくくりの言葉を声に出して、自分に言い聞かせます。声に出すことで、気持ちがすんなり切り替わります。
Point
必ず紙とペンでおこなう。スマホのメモやSNS投稿はNG。ブルーライトの影響や友人からのレスポンスが気になって返って寝つきが悪くなる
<心のモヤモヤを封印するやり方>
①:ノートとペンを用意し、悩んでいること、気がかりなことなどを詳しくノートに書きだす。
②:書ききったら、ノートを閉じて、引き出しの中など見えないところにしまう。
③:「はい、終わり」と口に出して自分に言い聞かせる。
布団から出る
悩み事や心配事があってもなくても、布団に入って30分しても寝つけないときは、布団から出てしまいましょう。眠れないのに布団に入っていると、布団=眠れないという意識が脳に記憶されて、慢性的に寝つきにくくなってしまいます。布団から出たら、自分に合ったリラックスできる別のことをしてみましょう。
Point
・布団から出たら、パソコンやスマホのチェックは避ける
・ホットミルクを飲む、音楽を聴く、ストレッチをするなどがおすすめ
・翌日のことが気になるなら、念入りに準備をするのもおすすめ
【眠くなる方法3】体内リズムを調整する
1日の身体のリズムをつくりだしているのが、人の身体の中にある体内時計。この体内時計が乱れると、眠れなくなったり、朝起きれなくなったりしてしまうのです。体内リズムを整えるのに役立つ、朝、昼、夜、寝る直前のおすすめ習慣を紹介しましょう。
朝は日光を浴びて、牛乳とバナナをとる
体内時計は24時間よりも少し長めにセットされているため、毎日少しずつズレが生じてしまいます。このズレを修正するのが光です。毎朝朝日を浴びることで、体内時計をリセットすることができます。朝起きたらカーテンを開けて日差しを浴びる習慣をつけましょう。
眠りに大きく関わるのが、睡眠ホルモンと呼ばれている「メラトニン」。体内時計を整えて眠りに導く役割をもっています。
このメラトニンをつくる「トリプトファン」という栄養素が多く含まれるのが、バナナ、乳製品、豆製品、炭水化物、魚。 忙しい朝におすすめなのが、バナナと牛乳です。ジュースやスムージーではなく、バナナを固形で食べましょう。 しっかり噛むことで、目を覚ます脳内物質の「セロトニン」も活性化されます。
食規則正しく食事をする
1日3食、きちんと食事を摂りましょう。時間がないからといって朝食を抜くのはNG。食事をすると身体が目覚め、その情報が脳に伝わります。すると脳が「食事をする=活動する時間だ」と記憶するので、体内時計が整いやすくなります。
日中は適度な運動を
日中はパワフルに活動するのがよいでしょう。頭脳労働ではなく、身体を動かすのが大切です。身体を疲れさせることで、眠気を生み出す「睡眠物質」が分泌され、夜になると自然と眠くなるようになります。
Point
・運動の目安は週2回、それぞれ30分程度でOK ・運動におすすめなのは、19~21時
夜はお酒やタバコを控える
「寝る前にお酒を飲むと、ぐっすり眠れる」そう思っている人も多いかもしれません。でも実は、お酒で深い眠りを得られることはありません。 アルコールが分解されてできる「アセトアルデヒド」という物質は睡眠を妨害し、眠りを浅くする作用があります。
また、アルコールには利尿作用があるので、トイレに起きてしまうことも。寝る前のお酒は避けたいところですが、どうしても飲みたい場合は、就寝3時間前までにしましょう。
寝る直前はスマホやパソコンをやめる
寝る前についついチェックしがちなスマートフォンやパソコンですが、デジタル機器から出るブルーライトには、眠りに欠かせない物質「メラトニン」の分泌を止める作用があることがわかっています。
1件のメールをチェックしただけで、エスプレッソ2杯飲んだのと同じぐらいの興奮状態になってしまうんだとか。就寝1時間前には、すべてのデジタル機器をオフにするのがおすすめです。
夜に「光の強い場所」に行かない
スマートフォンやパソコンのブルーライトだけでなく、蛍光灯などの「強い光」も睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌を抑えてしまいます。
夜遅くなってからコンビニエンスストアやスーパーマーケットなど、強い光が出ている場所に出かけるのは避けましょう。店舗によっては1000ルクス以上という、照度が一般的なオフィスの倍以上の場所もあります。夜にこうした強い光を浴びると脳が覚醒してしまい、眠気が起きなくなってしまいます。
日中に15~20分の仮眠をとる
睡眠不足が続き日中に眠気を感じるときは、15時までに15~20分程度の仮眠をとるようにしましょう。短い時間でも日々の睡眠不足を補うことができ、また脳の疲労も回復できるため、気分もリフレッシュします。
身体を横にして眠ってしまうとリラックスしすぎてしまい、深い眠りに入ってしまうので、デスクに突っ伏したり、頬杖をついたりする姿勢をとるのがよいでしょう。
休日に寝すぎない
平日の睡眠不足を補うために、休日に昼過ぎまで寝てしまうという人も多いでしょう。寝だめをすること自体は悪いことではありませんが、平日と休日のリズムが違いすぎてしまうのは問題です。休日に寝すぎてしまうとリズムが崩れ、月曜日に平日モードに戻りにくくなってしまうのです。
Point
・休日の起床時刻は平日+2時間以内
【眠くなる方法4】寝室やパジャマを見直してみる
いつも寝ているベッドや枕、あなたに合っていますか。光や音が気になる部屋で寝ていませんか。寝室やパジャマを見直してみると、睡眠の質がぐっと高まるかもしれません。
寝室は光や音が入らないように
夜に光を浴びると都内時計が遅れて、寝つきにくくなってしまいます。就寝前はダウンライトに切り替えたり、間接照明にしたりと、目に入る光の量を減らしましょう。
また、外の光が入らないように遮光カーテンをするのもおすすめです。また、洗濯機や室外機の音、車や電車の音などは睡眠に悪影響を及ぼします。
自分に合った枕やマットレスを
寝具は自分に合ったものを選ぶのがいちばんです。立っているときと同じ頭と首の状態を保てる枕、立っているときと同じ背骨の状態になるマットレス(布団)が理想です。
部屋着で寝るのはNG
外から帰ってくると、部屋着(ルームウェア)に着替え、寝るときも部屋着のままという人も多いかもしれません。しかし、良い睡眠のためには、ぜひパジャマに着替えてください。
寝る格好でいちばん大切なのは、締めつけずリラックスできること。肌触りや着心地がよく、通気性・保湿性が高いパジャマがよいでしょう。とくにシルクやコットン素材がおすすめです。
【眠くなる方法5】眠気を誘う睡眠ホルモン“メラトニン”を食事で増やす
メラトニンの源となるトリプトファンを摂る
メラトニンは以下の流れで作られます。
トリプトファン:必須アミノ酸。人体では作ることができず食事で補う必要がある。
セロトニン:脳内物質。トリプトファンを原料に脳内で合成され、日中を活動的に過ごすサポートをしたり、気分を安定させてくれる効果がある。
メラトニン:睡眠ホルモン。日中に働いたセロトニンから作られる。
快眠のためには、朝食でセロトニンの原料になるトリプトファンを摂ることが効果的。トリプトファンが多く含まれるのは、バナナ、乳製品、豆製品、麺類、イモ類、魚、鶏卵など。 忙しい朝にも手軽に摂れるおすすめは、バナナ1本と牛乳200ml。
Point
体内でトリプトファンからセロトニンが合成されるためには、トリプトファンと併せて「ビタミンB6」と「炭水化物」の同時摂取が必要。
3つの栄養素を手っ取り早く摂るにはバナナがおすすめです。
セロトニンを活性化する
セロトニンを活性化するにはリズミカルな刺激が必要。トリプトファン摂取の代表選手であるバナナも、ジュースやスムージーにせず固形のままで、噛んで食べるのがおすすめです。
できれば1回の食事も20~30分程度かけてしっかり噛んで食べましょう。日中にガムを噛むのも1つの手。
メラトニンが多く含まれる食品を摂る
アメリカンチェリーにメラトニンが多く含まれているため、午後のおやつタイムや夕食のデザートにおすすめ。また青汁の原料であるケールにもメラトニンが含まれています。ただケールが野菜としてスーパーで売られていることは少ないため、青汁を利用するのが手軽。夕方飲むと効果的です。
【眠くなる方法6】入眠儀式で眠りのスイッチをONにする
眠る前に行う習慣・行動が「入眠儀式」です。眠る前に同じことを毎日習慣づけることで、自律神経が切り替わり寝つきがスムーズになる効果が期待できます。
もっともスタンダードな入眠儀式は、「歯磨きをしてパジャマに着替える」こと。当たり前のことを習慣づけるだけでも睡眠の質はぐっと上がります。
自分なりの入眠儀式を見つけてみましょう。
寝る前の当たり前の行動を習慣づける
これといった習慣がない方は、まずはここから。意識的に習慣づけましょう。
- 歯磨きをしてパジャマに着替える、トイレに行く
- 次の日の準備をする
「眠くなってから寝室へ」を徹底する
寝室を「眠るための場所」と意識づけしましょう。
寝室へ行くのは眠くなってから、と決め、寝室に入ってすぐ眠りにつくと、脳は「寝室=眠りの場所」と認識するようになり、寝室に入ると自然と眠くなる、というリズムが身に付きます。
逆に、眠くないのに寝室に入り、なかなか眠れないまま布団の上で過ごしてしまうと、脳が「寝室=眠れない場所」と認識し、寝つきが悪くなってしまいます。寝室へは、できるだけスマートフォンなどのデジタル機器を持ち込まないようにしましょう。
リラックスできる環境・身体づくりを習慣づける
リラックスできる習慣を入眠儀式として取り入れるのも手。夜は、昼間に働いた交感神経が副交感神経に切り替わります。眠る前にリラックスした状態を作るためには、絶好のタイミングです。
間接照明に切り替えて薄暗くする
目に入る光の量を減らすことで、身体が睡眠モードへシフトします。
布団の上で3分ストレッチする
激しいストレッチはNG。ゆったり心地良く、1日頑張った身体を労わるように。
ハーブティーを飲む
代表的なカモマイルのほか、自分が心地良く感じる香りのハーブティーを。寝る前の水分補給も兼ねられます。
アロマを焚く
ラベンダーのほか、オレンジスイート、ベルガモットなどの柑橘系もおすすめ。体調によって香りの感じ方も変化するため、お気に入りの香りをいくつか見つけておくと便利です。
音楽を聴く
初めての人はクラシックやヒーリングミュージックから試すのがおすすめ。モーツァルトやバッハの曲には、「1/fゆらぎ効果」という独特のリズムがあります。自律神経のバランスを整える働きがあるため、スムーズな寝つきが期待できます。
読書をする
推理小説など頭を使う内容は避け、照明は少し落としてほの明るい環境で。敢えて難しい本を読んで眠気を誘うのも方法の1つです。電子書籍はディスプレイの光が目を刺激するため入眠儀式にはおすすめできません。
Point
・「入眠儀式をしなくては!」と強い義務感に駆られたり、あまり複雑な入眠儀式はかえって寝つきを悪くしてしまうことも
・すぐに効果が現れなくても気持ちを楽に、まず続けてみる
参考図書: