今回は、本ワサビに含まれる成分の抗酸化効果について、ワサビ研究のパイオニア 金印株式会社 開発本部部長 奥西勲さんが語ります。
本ワサビに含まれる成分の抗酸化効果とは?
「日本原産の本ワサビの根茎に、わずかに6-MSITC(6-メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネート)という機能性成分が含まれているのです。研究で明らかになったのは、その機能性成分が持つ高い抗酸化作用です。この成分を健康食品として利用するために辛味成分を除去した機能性素材を開発しまして、これを『ワサビスルフィニル®』と名付けました。」
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本ワサビの抗酸化作用は細胞そのものの抗酸化能力を高める
酸素は外界からの刺激に反応して細胞伝達や免疫機能の役割を担う活性酸素に変化するのだが、この発生が過剰になると細胞を傷つけ、がんや心血管疾患、生活習慣病など様々な疾患を引き起こす一因となる。
「このような活性酸素から細胞を守るための働きを助けるのが抗酸化物質です。ポリフェノールなど通常の抗酸化物質は活性酸素に直接働きかけてこれを除去します。本ワサビの抗酸化作用は全くアプローチが異なり、活性酸素を発生させないよう細胞自体に働きかけるのです。つまり細胞そのものの抗酸化能力を高めるのです。」
これを火事に例えるなら、通常の抗酸化物質は出火した火に対して放水で消化活動を行うということだ。本ワサビの抗酸化作用は難燃性の素材で家を建て、出火自体を防ぐようなものであり、活性酸素によるダメージに細胞がさらされないで済むので非常に効率が良いと言える。
本ワサビの抗酸化作用によって運動後の酸化ストレスの軽減、美肌、関節痛の痛み軽減
激しい運動時の酸化ストレスを測定する臨床研究では、本ワサビの機能性成分が活性酸素の発生を抑制し、酸化ストレスを軽減することが認められている。さらにはシミやそばかすを改善する美肌効果、膝関節の痛みを和らげる抗炎症作用も認められている。
「動脈硬化やがん、生活習慣病を誘発する原因になる活性酸素は、様々な機能低下を引き起こしますが、この『ワサビスルフィニル®』はその活性酸素の発生を防ぐといえると考えます。」